西村優菜が国内メジャー初V 黄金世代倒した!3打差逆転でミレニアム世代一番乗り
「女子ゴルフ・ワールド・サロンパス・カップ・最終日」(9日、茨城GC東C=パー72)
3打差2位から出た西村優菜(20)=スターツ=が6バーディー、1ボギーの67で回り、通算14アンダーで逆転優勝を飾った。2020年11月の樋口久子・三菱電機レディース以来、ツアー2勝目。2000年度生まれのミレニアム世代では国内メジャー初制覇となった。大里桃子、臼井麗香、稲見萌寧が3打差の2位。単独首位から出た高橋彩華は5位に終わった。
先輩相手に圧巻の逆転劇だった。ミレニアム世代の西村が、同組で回った黄金世代の高橋、大里との激戦を制した。スタート時の3打差を見事にひっくり返し、逆に3打差をつけての勝利。最終18番グリーン、20センチのウイニングパットを沈めると、両拳で二度、三度と力強くガッツポーズをつくった。
「メジャーは自分の中ですごく高い位置付けで成績を出したいと思って挑んだ。今週は4日間60台で回るという目標を立て、それを達成できて、優勝できてうれしい」と素直に喜んだ。
勝利への流れは自ら引き寄せた。6番パー3でボギーをたたいた直後だ。先に7番ティーイングエリアに向かっていた西村は「前の組と空いてしまっていたので」とパーだった大里、高橋より前にティーショット。残り130ヤードの第2打をピン横5メートルにつけ、バウンスバックを決めた。
「6番で短いパットを外し、流れが悪くなりそうだったけど、7番で取り返せてリズム良く回れた」と勝因の一つに挙げる。優勝争いの緊張感の中、自らの判断で打順変更したことが奏功した。
平常心でプレーに集中していた西村だが、表彰式で母の日の勝利を振られると感極まった。母・枝里子さん(45)はツアーに帯同し、車での送迎などいろいろ世話をしてくれるマネジャー的な存在だ。「ずっと付いてきてもらって自分の好きなこともできず、犠牲にしていることがたくさんあると思う。『本当にありがとう』と伝えたい」と涙ながらに心から感謝を口にした。
メジャー制覇は同世代で一番乗り。優勝の瞬間は同級生の古江らに祝福された。「古江さんもすごく技術があって、私も刺激をもらいながらやってきた。同世代で一緒に頑張って、お互い負けないようにできたらいい」と今後も切磋琢磨(せっさたくま)を誓う。
2021年の目標は複数回優勝と賞金ランキング5位以内。「まずはそこをしっかりクリアできるように成長していきたい」。オフに徹底的に磨いたショートゲームは実を結びつつある。身長150センチと小柄な西村が、今回の勝利で得た大きな自信を胸に有言実行へ突き進む。