50歳ミケルソンがメジャー最年長V メジャー史上最長コースを小技と精神力で克服

 「米男子ゴルフ・全米プロ選手権・最終日」(23日、キアワアイランドリゾート=パー72)

 フィル・ミケルソン(米国)が73で回り、通算6アンダーで2日目からの首位を守り抜いた。50歳11カ月7日での優勝はメジャー最年長で、1968年全米プロを48歳4カ月18日で制したジュリアス・ボロス(同)の記録を53年ぶりに塗り替えた。シニア入りした選手の米レギュラーツアー制覇も初めて。米ツアー通算45勝、メジャー6勝となった。松山英樹は通算1オーバーの23位で4月のマスターズに続くメジャー2連勝はならなかった。

 西日が差す18番フェアウエーに制止を振り切った観衆がなだれ込み、ミケルソンを取り囲んだ。「こんな経験は初めて」。人混みをかきわけてたどり着いたグリーンで、きっちり2パットに収め喝采を浴びた。メジャー史上最年長王者は「この勝利は格別だ」と喜びをかみしめた。

 昨年6月に50歳となったが「若い選手と同じように飛ばせる間はやめない」とレギュラーツアーが主戦場。食事を制限して体を鍛え直し、体重は8キロ前後絞った。今季ツアーでの平均飛距離は48位の302・5ヤードで5季前から9ヤード伸びた。この日は砂地からウエッジで決めた5番のようなさすがの小技に加え、パー5の16番では366ヤードのティーショットで同組の飛ばし屋ケプカの前に運んだ。

 「まだ勝てるということが他の選手の励みになってくれたら」という言葉の先には、全盛時を同時代で過ごしたタイガー・ウッズ(米国)がいる。かつてはライバル意識をむき出しにして互いに目も合わせなかったが、近年は一緒にチャリティーイベントを行うなど完全に雪どけした。その盟友は2月の自動車事故でリハビリ中。50歳での勝利は、また一緒に闘おうという、生涯のライバルに向けたエールでもあった。

 メジャーで唯一勝っていない全米オープンのタイトルを渇望するミケルソン。今年6月の大会は特別招待を受けていたが、自力でこの先5年の出場権をつかんだ。「もしかするとこれが最後の勝利かもしれない。でも勢いが続く可能性もある」。左打ちの名手がメジャー2連勝を狙う。

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