勝みなみ 逆転!2年ぶり5勝目 黄金世代の“先駆者”が帰ってきた
「女子ゴルフ・リゾートトラストレディース・最終日」(30日、セントクリークGC=パー72)
2位から出た黄金世代の勝みなみ(22)=明治安田生命=が3バーディー、1ダブルボギーの71で回り、通算9アンダーで逆転優勝を果たした。今季初優勝で2019年中京テレビ・ブリヂストンレディース以来、2年ぶりの通算5勝目。次戦の海外メジャー、全米女子オープン(6月3日開幕、サンフランシスコ)へ弾みをつけた。吉川桃、大里桃子、比嘉真美子が通算6アンダーで2位を分けた。
黄金世代を背負ってきた勝が表舞台に戻ってきた。最終18番、2メートルのウイニングパットをど真ん中から沈めると、右手で小さくガッツポーズ。同学年で同組の新垣と軽めのハグをして喜びをかみしめた。
首位に1打差2位からスタート。1番で第2打をグリーン手前のバンカーに打ち込むと、これが目玉状態。第3打を奥にこぼし、いきなりダブルボギーとしてしまった。最悪の出だしだったが、動揺はまったくなかった。
「今日は課題をやるだけだと思っていた。ショットもパットもやるべきことが決まっていたので、ダブルボギーをたたいた時も切り替えてやれた」
その課題とはショットではダウンのときにクラブヘッドを遠くから回してくる動きの徹底と、パットではショートパットでリズムが早くならないように意識すること。その後に3バーディーを奪い返して優勝を引き寄せ「今日は優勝できたこともうれしいけど、課題をクリアできたことも同じくらいうれしい」と自己評価した。
15歳でツアー優勝を果たし、プロ入り後もトントン拍子に3勝を挙げたが、今年は前週までトップ10入りがなく、フジサンケイ・レディースから4大会連続予選落ち(棄権1)。昨年1月から始めた本格的なトレーニングで筋肉がついたため、ゴルフの感覚にズレが生じたの原因だった。
「飛距離が伸びたことで戸惑いもあったし、やりたいスイングができなくなった時期もあって、どうしたら不安なくスイングできるのか悩んだ。でも、今日こうして克服できたので、これからは伸びしろしかないです」
一昨年5月以来のツアー5勝目を挙げ、次戦の海外メジャー・全米女子オープンへこれ以上ない弾みもついた。来年のQスクールを受けて米ツアーに挑戦する希望も持っており「アメリカに行きたい気持ちは前よりも強い。いけば自分のゴルフのスキルが上がると思う」。しばらくは日本で力を蓄え、世界へ羽ばたく時を待つ。