渋野日向子が勝負強さ発揮し予選通過 逆転五輪へ巻き返し「最後まであきらめない」

 「米女子ゴルフ・全米女子プロ選手権・第2日」(25日、アトランタ・アスレチックC=パー72)

 東京五輪代表入りの可能性を残す渋野日向子(22)=サントリー=は93位から出て、1イーグル、2バーディー、2ボギーの70と巻き返し、通算2オーバーの57位で決勝ラウンドに進んだ。笹生優花も70で回り、通算1アンダー32位で予選を通過した。畑岡奈紗は72と伸ばせず、通算3オーバー71位で1打足りず、8オーバーで120位の上原彩子とともに予選落ちした。ネリー・コルダ(米国)が通算11アンダーで単独首位に立った。

 土壇場で勝負強さを発揮し、渋野が五輪代表入りへ望みをつないだ。最後の2ホールでバーディー、イーグルを奪う劇的な展開で際どく予選を突破。「マジで良かった。泣きそうだったもん」。18番パー5で6メートルのパットを強気に沈めると、これ以上ないという笑顔をつくった。

 練習ラウンドでは「2打目でグリーンは狙えない」と決めていたが、予選カットがちらつく最終ホールに「こうなったら行くしかない」と決断。グリーンエッジまで残り206ヤード。3番ウッドを手にし、何度も深呼吸してから打った。思わず「ゴー!」と叫んだ打球で2オンに成功。そして、イーグルパットを見事に決めた。

 進撃は12番パー5から始まった。残り83ヤードの第3打を池に入れた後、ほぼ同じ所からの第5打はバックスピンと傾斜で戻し、そのままカップイン。このパーセーブで勢いに乗り、13番で6メートルを入れて初バーディー。17番は1・5メートルにつけて二つ目のバーディーを奪った。そして、18番をイーグルで締めた。

 「特に最後の2ホールでこの3カ月の(海外遠征の)全てを出し尽くした感じ。いろいろあったけど、頑張って良かった。明日があるのがうれしい!」と心の底から叫んだ。

 東京五輪への道は、首の皮一枚つながった。首位とは13打差だが、代表入りへの目安となる3位グループまでは9打差。「最後まであきらめないというのを今日はすごく感じられた。これからのゴルフ人生も、この2ホールで変わってくると思う」と前を向いた。2年前の全英女子オープンで逆転優勝した最後のバーディーパットも同じ6メートルだった。渋野が再び人生を変える大逆転劇に挑む。

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