鈴木愛が涙の逆転V 1年8カ月ぶり17度目歓喜「やっとドロ沼から抜け出せました」

 「女子ゴルフ・資生堂レディース・最終日」(4日、戸塚CC西C=パー72)

 初日の日没順延で未消化だった第1ラウンドの残りと決勝の最終ラウンドを行い、予選で首位と1打差の2位だった鈴木愛(27)=セールスフォース=が16番のイーグルで混戦を抜け出し、通算10アンダーで逆転優勝を飾った。19年11月の伊藤園レディース以来、1年8カ月ぶりのツアー通算17勝目。1打差の2位は勝みなみと西郷真央。71で68位だった22選手は予選は通過したが、進行を早めるため最終ラウンドは競技しなかった。

 何度も涙があふれた。鈴木にとって苦しすぎた1年半。「何をやってもうまくいかなくて…。自分と比べるのが怖くて、他の選手を見ることもできなくなってました。本当に自信がなかった」。喜びの瞬間は、梅雨空のすき間からやってきた。

 前半で3つスコアを伸ばしても、勝負どころの16番パー5で97ヤードの第3打をカップインさせてイーグルを奪っても不安だった。「一昨年ぐらいだったら『ああ、今日は私の日かな』と思ったかもしれない。だけど、私がイーグルを取れるなら他の選手も取るし…、としか思えなかった」。

 それでも単独首位で迎えた残り2ホールは、代名詞の絶妙なパッティングで乗り切った。「やっとドロ沼から抜け出せました。17番の1・5メートル、18番の1・2メートル。2つのパーパットは緊張の中でも落ち着いて打てた。練習を続けてきて本当によかったと思えた大きな2打になりました」

 闘志を前面に押し出すプレースタイルが、コロナ禍で大会中止や無観客が続いた昨年から影を潜めた。「応援の声が聞こえないってことが一番きつかった。すごくさびしくて、気合も入らなくて」。優勝争いに加わることさえできなかったが、今大会ではかつての日常を取り戻した。

 4月に上田桃子が2年ぶりに優勝したこともプラスに作用した。「私の中ですごく大きかった。報道記事を読んで桃子さんもそんなに苦しんでいたんだ、ってメッチャ勇気をもらったんです」。2人目の女王復活は、また誰かの勇気になるに違いない。

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