松山英樹 猛チャージもV逸 通算16アンダーでプレーオフに「いいパット打てた」
「米男子ゴルフ・フェデックス・セントジュード招待・最終日」(8日、TPCサウスウインド=パー70)
松山英樹(29)=LEXUS=が惜しくも4月のマスターズ以来の優勝を逃した。9打差14位から開始し、7バーディー、ボギーなしの63と猛チャージを展開。通算16アンダーで並んだ3人によるプレーオフに割って入った。2ホール目で敗れたが、2週後から始まる米ツアーのプレーオフ・シリーズ(全3戦)での日本人初の米ツアー年間王者に向け、大きな弾みをつけた。アブラハム・アンセル(メキシコ)がツアー初優勝。木下稜介は通算1アンダーで43位だった。
プレーオフ2ホール目、松山の7メートルのバーディーパットは、わずかにカップ左を抜けた。次に打ったアンセルが1・8メートルを決めて優勝。7人による銅メダル争いとなった前週の東京五輪男子ゴルフに続いて2週連続、米ツアーでは通算4回目で初めてプレーオフで敗れた。
ホールアウトした時点で最終組はまだ13番をプレー中。首位とは2打差あり、終盤にはバーディーを計算できるホールもあることから、本人も周囲も“お疲れさま”ムードだった。すでに取材も始まり「次に向けて頑張ります」などと答えていたが、その後に上位勢が乱れ、1時間後に首位に並んだ。
9打差逆転での優勝ならツアー7年ぶりの快挙となるところだった。惜しくも敗れたが「最後もいいパットを打てた。アブラハムがいいパットを最後に決めたので、仕方がない」と負けを認めた。
7月はコロナ感染で全英オープンを欠場し、病み上がりで東京五輪に出た。過酷な炎天下でメダルを逃し、休む間もなく米国に戻って今大会へ。疲労はたまっているが、9月初旬の今季最終戦まで計6連戦をにらむ。「僕よりきつい連戦をしている選手もいる。疲れたとか言ってられないですね」。もはや鉄人の域だ。