五輪後初ラウンドの稲見萌寧 悪天候に苦戦も「全部耐えた」 首位と6打差16位発進

 「女子ゴルフ・NEC軽井沢72・第1日」(13日、軽井沢72G北C=パー72)

 東京五輪銀メダリストの稲見萌寧(22)=都築電気=は2バーディー、ノーボギーの2アンダー70で回り、首位と6打差の16位スタートとなった。稲見と同組で回った今季賞金ランキング1位の小祝さくら(23)=ニトリ=が8バーディー、ノーボギーの8アンダー64で単独首位。3打差の2位に酒井美紀、穴井詩、辻梨恵が続いている。

 耐えて、しのいだ18ホールだった。稲見の五輪後初ラウンドは2バーディー、ノーボギー。「シビアなパーパットが何個かあったけど、全部耐えられたので良かった」。首位と6打差発進となったが、雨中のラウンドでボギーをたたかなかったことを前向きに捉えた。

 「前半の最初の方は耐えている感じでした」と振り返る。2番は3メートルのスライスラインを沈めてパーセーブ。練習グリーンとのスピードの違いに戸惑い、ロングパットのタッチをなかなか合わせられなかった。

 悪天候もスコアを伸ばし切れなかった要因の一つだ。「ティーショットのランが全然出ないので、セカンドの距離が残ってしまった。ロングアイアンが今週はうまくいっていないので、チャンスが少なかった」。ウッドではフェースが滑り、「魔球みたいな球が出た」こともあった。

 五輪会場の霞ケ関CCはフェアウエーが高麗芝だったが、今週の会場は洋芝。練習ラウンドから苦労していたが「今日もセカンドがふかふかのベント芝に対応できなかった」と武器のショットでバーディー量産に結び付けられなかった。

 スタート時には「東京オリンピック銀メダリスト」と紹介されたが「全然、意識していないです」とさらり。開幕前日会見で「思い出を引きずることはない」と口にしたようにギャラリーの拍手に会釈すると、いつものように真剣な表情でプレーに入った。

 「明日も雨なので耐えられるところは耐え、なるべく多くチャンスをつくれたらいい。スコアを伸ばして上位に行きたい」。残り2日、ここから稲見が銀メダリストの本領を発揮する。

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