時松隆光が大爆発!4連続バーディーで2位発進 7、8月「給料はゼロ」で焦り
「男子ゴルフ・ANAオープン・第1日」(16日、札幌GC輪厚C=パー72)
選手会長の時松隆光(28)=筑紫ケ丘GC=が7バーディー、1ボギーの66で回り、6アンダーで首位に1打差の2位と好発進した。ツアーで3勝しているが、2020年の選手会長就任から勝ち星がなく、3年4カ月ぶりの優勝を目指す。7アンダーのトップはジェイブ・クルーガー(南アフリカ)。29歳最後の日だった石川遼(CASIO)は3打差の13位につけた。
「隆光(りゅうこう)」というかっこいい登録名だが、本名は源蔵。だから、愛称は「ゲンちゃん」。そのゲンちゃんが久しぶりに爆発した。特に、後半のアウトは3番から4連続バーディー。グリーン右に外した8番は絶妙な寄せでパーを守り、9番はエッジから5メートルをパターで転がし入れて締めた。「ショットはよくないけれど、パターが入った。今日は粘れました」。細い目をさらに細めて控えめに笑った。
穏やかな人柄から周囲に推されて選手会長になり、2年目の21年は最終年。コロナ禍での大会運営など難しい事態に直面し、2~3時間の電話会議などをこなしながら試合に出ている。ただ、この2カ月は4試合で3度の予選落ち、獲得賞金は27万円あまりと絶不調。「会長の仕事があるので練習量は少なくなったけれど、言い訳にしたくない」と言うものの、「7月と8月はまったく稼げていないので、給料はゼロ。財布が空き気味で、冷や汗かいてます」と焦りも感じてきた。
歴代会長は池田勇太、宮里優作、石川遼と3代前から在任中に優勝しているが、時松は勝利に見放され続けている。しかし、飛距離でなく正確なショットが必要な輪厚は持ち味を発揮しやすい。2017年と19年には2位に入った。
「明日(17日)、石川遼さんが誕生日なんで、みなさんから(紙面を通じて)おめでとうございますと伝えていただければ。直接LINE(ライン)するのは恥ずかしいんで」。どこまでもシャイだが、石川も会長交代時の後任にゲンちゃんを推していた。選手会長の優勝は、みんなが待っている。