石川遼 通算9アンダー16位 突然号泣「大事なクラブ折っちゃったんで」
「男子ゴルフ・ANAオープン・最終日」(19日、札幌GC輪厚C=パー72)
大会中に30歳になった石川遼(CASIO)は72で通算9アンダーの16位だった。ジンバブエのスコット・ビンセント(29)が前半からチャージをかけて逆転。66で回って通算18アンダーにし、後続に3打差をつけて完勝した。2戦前の初勝利に続き、日本ツアー2勝目。前日首位の大槻智春は72と伸ばせず、2位に終わった。
突然泣いた。プレー後の取材中、いつもは丁寧にプレーを振り返る石川が珍しく突っ伏すように両手をテーブルについたまま、言葉が出てこない。顔を上げると目を赤く腫らし、涙を流していた。
「大事なクラブを1本折っちゃったんで…。真っ二つに…。5番ウッド。信頼していたクラブだったんで…」
17番パー5。第1打は右に曲がり、ボールは大木の根元に止まっていた。前は狙えず、脱出に選んだのが5番ウッド。木にクラブが当たってもやむなしの、左方向へのハーフショットでクラブは大きな音を立てて破損。ボールは反対側の左ラフまで転がり、その後は好リカバリーでパーをセーブした。
スコア提出後は顔色がさえず、開口一番「う~ん、なんか疲れがどっと来ました。なんなんですかね。ちょっと分からない」。疲れはクラブを木にぶつけた直後に襲われ、ずっと続いているという。そして涙…。
泣いた理由は突然の疲労感なのか、愛用のクラブを折った悲しさなのか。歴代優勝者としてやってきた今大会は、どこかすっきりしないまま終わった。