「男子ゴルフ・ブリヂストン・オープン・最終日」（１０日、袖ケ浦ＣＣ袖ケ浦Ｃ＝パー７１）

　杉山知靖（２８）＝レイクウッドコーポレーション＝が６バーディー、１ボギーの６６と伸ばして通算１９アンダーにし、前日の３打差リードをそのまま守ってツアー初優勝を飾った。２０２１年７月に下部ツアーを初めて勝ったプロ７年目がレギュラーツアーで優勝。２週後の日米両ツアー共催大会の出場権も獲得し、賞金ランクを１６位に上げて初シードも有力にした。

　アンパンマンの笑顔がはち切れそうだった。杉山が１８番で約１メートルの勝利のパーパットを決めると仲間によるウオーターシャワーを浴び、「マイブラザー」と呼んで特に仲がいい稲森佑貴と抱き合った。「プレー中はお世話になっている人たちの顔を思い浮かべました」。何度も感謝の気持ちを口にした。

　１４番で同じ最終組の片岡に一度追いつかれた。ギアを入れたのは次の１５番。２メートルの下りのフックラインを前に「これを入れたら流れが来る。バーディーを取ったら、次は得意のドローで攻められる１６番だ」と気持ちを固めた。「構えたら迷わずストロークするだけ。入るか入らないかは神様にお任せする」が信念。神様はほほ笑み、連続バーディーで勝利を決定づけた。

　優しい人柄で片岡ら同伴競技者のショットに「ナイス！」と声をかけた。「年下の選手に気持ちよく回ってもらいたいじゃないですか」。優勝賞金２２００万円は母の智恵さん（５７）に手渡すつもり。「母子家庭で、ここまで育ててくれたから」

　下部ツアー初勝利から３カ月でレギュラーツアーに勝ち、２週後には日米共催のＺＯＺＯチャンピオンシップに出場する。海外の強豪が賞金総額９９５万ドル（１１億円）を目指してこぞってやって来る。大丈夫。アンパンマンが日本を守る。