「女子ゴルフ・米ツアー最終予選会・最終日」（１２日、ハイランドオークスＧＣ＝パー７２）

　２週間、計８ラウンド１４４ホールで争われた最終予選会が終了した。日本から参加した渋野日向子（２３）＝サントリー＝と古江彩佳（２１）＝富士通＝が、いずれも４５位タイまでに与えられる来季米女子ツアー出場資格を獲得した。渋野は最終ラウンドを６９で回り、通算１０アンダーで常時出場の目安となる２０位に滑り込んだ。古江は通算１８アンダーの７位だった。日本女子は畑岡奈紗と笹生優花がシード権を持っており、来季は４人が世界最高峰の舞台で戦う。

　大きなクリスマスツリーの前で、渋野が最上級の笑みを浮かべた。「ギリギリ入れて良かった。本当にいい経験ができた」。合格者だけがクラブハウスに呼ばれてのセレモニー。名前の上に「ＩＮＳＩＤＥ　ＴＨＥ　ＲＯＰＥＳ（ロープの内側）」と書かれた緑色のボードを受け取ると何度も確認し、古江と記念撮影に納まった。

　目標は２０位以内だったが、７９をたたいた前日は２９位まで転落。落胆のあまり報道陣に対応できなかった。たった一晩で立ち直れるのか。そんな心配もあってか、最終日の日本人ギャラリーは４０人ほどに増えていた。

　１番ティーに現れた渋野は厳しい顔のままだった。第２打をグリーン右に外してボギー発進。２番からはパットがカップに届かず、パーがやっとのホールが続いた。そんな中、支えになったのがギャラリーの応援だった。８番パー４、第２打がバックスピンで６０センチにつくと拍手が起こった。初めて「よし！」と思った。９番は２メートルが入り、１１、１２番も連続バーディー。１３番をボギーにしても慌てない。１４番の１・２メートルも自信を持って決めた。

　プレー終了時点では常時出場圏内の２０位以内に入れるかどうか微妙だったが、満足そうだった。「自分が一番自分を信じないといけないと思わせてくれたのはギャラリーさんでした」と感謝した。

　１９年全英女子オープン優勝時、米ツアーメンバー登録が可能だったが、日本で鍛える道を選んだ。渋野は「あの時に登録していたら、こんなに自分を追い込むことはなかった。これだけスイングも変えていない。今回こうやって２週間やって、ボロボロになって…。収穫しかない」と言い切った。

　合格者は年明け１月２２、２３日にフロリダ州でルーキーセミナーに参加後、いよいよツアーに合流する。苦労を乗り越え、強くたくましくなった渋野が夢の舞台で大暴れする。