西郷、ツアー初V 昨季2位7度シルバーコレクター返上 同じジャンボ門下生から刺激

 「女子ゴルフ・ダイキン・オーキッド・レディース・最終日」(6日、琉球GC=パー72)

 首位と5打差の8位から出た西郷真央(20)=島津製作所=が、6バーディー、1ボギーの67で回り、通算10アンダーとして逆転でプロ初優勝を飾った。2020-21年シーズンは2位が7度と優勝にあと一歩届かなかったが、今季開幕戦で悲願の頂点に立った。1打差の2位に黄アルム(韓国)、2打差3位は西村優菜が入った。昨季賞金女王の稲見萌寧は10位、昨年優勝の小祝さくらは13位だった。

 最終組で争った末に、という想像していた勝ち方とは違った。涙もなかった。10アンダーで最終組の2組前にホールアウトしていた西郷は、練習グリーンで優勝決定をギャラリーから知らされた。

 「まさか逆転で優勝できるとは思っていなかった。すごく驚いたのが第一で、そこから優勝できてよかったなと安心した」。同い年の山下美夢有や、昨季賞金女王の稲見に祝福され、緊張気味の笑顔を振りまいた。

 自分の力で壁を乗り越えた。16番で8メートルのバーディーパットを沈めて9アンダーとすると、21年の前回大会では連続ボギーで3日間守った首位から陥落した最後の2ホールを迎えた。

 1年前はグリーン奥に外した17番パー4の第2打は、わずかに奥のカラーへ。そこからパターで7メートルをチップイン。連続バーディーで10アンダーとし、ついに首位の渡辺に並んだ。

 18番パー5は第2打がグリーン左のバンカーにつかまった。高いあごに阻まれ、ピンどころかグリーンすら狙わずに横のドロップゾーン付近の小高いラフへ“脱出”。15ヤードのアプローチを58度のウエッジで30センチに寄せてパーセーブすると、直前に上位が崩れて単独トップに立っていた。

 この日が来るのを信じていた。昨季は2位が7度。何度も優勝を逃し、帰りの車中で泣いたこともあった。支えになったのは「もう少しだから絶対大丈夫」と、何度も声を掛けてくれた大先輩の藤田さいきら、周囲からの励ましだった。

 その言葉を信じオフは課題のアプローチ、ショートゲームを磨いた。18番の第3打も「アプローチの練習をしていなければ無理に(ピンを)狙いにいったかもしれない」という。4打目を寄せる自信があったからこそ「安心してバンカーから出すことに集中できた。いいジャッジができたかな」と胸を張った。

 同じ2001年度生まれの新世紀世代に笹生優花や山下、同じ尾崎将司門下に笹生や原英莉花がおり、刺激を受けてきた。「2勝、3勝と優勝を重ねられるような強いゴルファーになりたい」。待望の1勝を最強伝説の序章にする。

 ◆西郷真央(さいごう・まお)2001年10月8日生まれ、千葉県船橋市出身。5歳からゴルフを始める。ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー1期生で、現在も尾崎将司に師事する。19年千葉・麗沢高3年時に日本女子アマ制覇。同11月にプロテストに合格した。20-21年シーズンは優勝に手が届かなかったが賞金ランキング4位。憧れは不動裕理。158センチ、57キロ。日本ウェルネススポーツ大2年。島津製作所所属。

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