「米男子ゴルフ・マスターズ・最終日」（１０日、オーガスタ・ナショナルＧＣ＝パー７２）

　２５歳のスコッティ・シェフラー（米国）がスコアを一つ伸ばして通算１０アンダーとし、２日目からの首位を守って初優勝した。今季、通算とも米ツアー４勝目。６４で回ったロリー・マキロイ（英国）が３打差の２位。昨年２月の自動車事故から復帰したタイガー・ウッズ（米国）は１３オーバーで４７位だった。

　メジャー初勝利を目前とした最終１８番。数十センチのパットを２度も外し、４パットのダブルボギーをたたいた。それでも逃げ切ったシェフラーは「ヒデキ（昨年優勝の松山）なら分かると思うが、タフで長い一日だった」と背負った重圧を笑顔で振り返った。

　３打のリードで迎えた最終日は２番でスミス（オーストラリア）に１打差に迫られた。だが、直後の３番（パー４）でチップインバーディー。その後も安定したプレーで崩れなかった。「今大会はチップショットが良かった」と自賛した。

　アマチュア時代から活躍し、今年２月に米ツアー初制覇を成し遂げたばかりだ。これで直近６戦のうち４勝。一気に能力が花開き、２週前に世界ランキング１位となって臨んだ「ゴルフの祭典」を前評判通りに制した。

　松山にグリーンジャケットを着せられた際に両肩をたたかれた新王者。表彰式のスピーチでは家族への感謝を述べて涙する場面もあり「夢がかなった。言葉にならない」と感激の面持ちだった。

　◆スコッティ・シェフラー　１９９６年６月２１日、米国ニュージャージー州出身。１９１センチ、９１キロ。テキサス大でアマチュア時代から活躍。２０年に米ツアーに参戦し、新人賞を受賞。今季はツアー初勝利を挙げるなど優勝を重ね、自身初の世界ランキング１位に躍り出た。