畑岡奈紗 米ツアー6勝目「やっと安定したプレーができた」 唯一4ラウンド60台で圧勝
「米女子ゴルフ・DIOインプラントLAオープン・最終日」(24日、ウィルシャーCC=パー71)
畑岡奈紗(23)=アビームコンサルティング=が今季初優勝し、ツアー通算6勝目を挙げた。2位に4打差の単独首位から出て、1イーグル、4バーディー、2ボギーの67と4つ伸ばし、ただ一人4ラウンドとも60台を出して、通算15アンダーで後続に5打差をつけて逃げ切った。笹生優花は66をマークし、通算3アンダーの17位。古江彩佳は71で2オーバーの43位、渋野日向子は通算6オーバーで63位だった。
畑岡が6勝目への支えにしたのはジョーダン・スピース(米国)の姿だった。男子メジャーで通算3勝の28歳は今年のマスターズで予選落ちしたが、翌週のRBCヘリテージで逆転優勝。「比べちゃいけないけれど、ゴルフは1週間で変わると思った」と感銘を受けた。自身も前週の試合で予選落ちすると、すぐにロサンゼルス入り。ビデオチャットでスイングをチェックしてもらうなど、調整を急いだ。
効果は明らかだった。4日間でパー3を除く56ホールのうち47ホールでフェアウエーを捉えた。バンカーに入ったのはわずかに3度。勝因に挙げたパッティングにも好影響し、各ラウンドの平均パット数は28だった。
1番は10メートルを沈め、4番パー3は1・8メートルにピタリ。5番は7メートルの長いパットを決めた。6番パー4で第1打を右に曲げるなどピンチを招いたが、6メートルを決めてボギーで収めた。15番パー5ではグリーンの上の段から10メートルを決め、後続の選手に引導を渡した。
今季は前戦までの8戦で最高は11位だった。渋野や古江らに話題をさらわれたが、優勝が決まった直後に古江らから水シャワーのお祝いを受け、満面の笑み。米ツアー勝利数で17勝の岡本綾子、9勝の宮里藍に続く日本女子3位の座を固めた。
周囲からは、次こそメジャーをと期待が高まる。「過去5年、近いところまでいっている。(プレーオフ負けした昨年の全米女子オープンのように)1打の差もないところにも行っている」。しばらくオフにあて、3週間後の再始動から次のメジャー、全米女子オープン(6月2~5日)に向かう。
◇畑岡奈紗(はたおか・なさ)1999年1月13日、茨城県笠間市出身。母の影響で11歳からゴルフを始め、2015年から世界ジュニア2連覇。茨城・ルネサンス高在学中の2016年、日本女子オープン選手権を史上最年少の17歳で制しプロに転向した。17年から米ツアーを主戦場とし、18年6月に初優勝。昨年の全米女子オープン選手権はプレーオフの末に2位で、東京五輪9位。名前は米航空宇宙局(NASA)に由来。158センチ。