西郷真央「本当にびっくりした」 16番バンカーからチップインイーグルで混戦制した 今季5勝目

 記念撮影でポーズをとる西郷
 18番、ウイニングパットを沈めバンザイする西郷真央(撮影・開出牧)
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 「女子ゴルフ・ブリヂストン・レディース・最終日」(22日、袖ケ浦CC袖ケ浦C=パー72)

 首位から出た西郷真央(20)=島津製作所=が1イーグル、2バーディー、1ボギーの69でスコアを三つ伸ばし、通算13アンダーで優勝した。今季、通算とも5勝目。出場10試合での5勝は、2004年に不動裕理がマークした11試合を抜いて最速記録となった。2打差の2位は、この日68で回った稲見萌寧。10アンダー3位タイに山下美夢有と青木瀬令奈が入った。

 団子状態を抜け出し、勝利を決定づけるイーグルだった。10アンダーで4選手が並んで迎えた16番パー5。西郷がグリーン左手前バンカーからの第3打を直接ねじ込んだ。

 「タップできるぐらいまで寄せられたら」と打ったボールは、一瞬カップの縁で止まったように見えたという。それが大歓声とともに吸い込まれ「本当にびっくりした」。ライバルに一気に2打差をつけてみせた。

 単独首位から出たものの、前半はパーセーブがやっと。4番をボギーとし、前半終了時点で稲見に抜かれた。バーディー狙いの11番パー4も第2打が手前のバンカーへ。左足下がりのライで「がっかり。きょうはこんな日かな」。第3打はピンを大きくオーバーし、ボギーの大ピンチ。ここでふと思い出した。

 「下りのスライス。練習ラウンドでさんざんやったライン」。信じて打って7メートルを沈めるとガッツポーズ。流れを取り戻し、13番の初バーディー、16番のイーグルにつなげた。

 予選落ちした直前の2週間は自分を見つめ直す時間でもあった。中学3年時から撮りためる動画を見直すと同時に、当日書いたメモも確認。スマホに保存された二つのデータを駆使し、スイングの修正を試みた。

 テークバック時の違和感は、過去のデータとは逆の現象で解決策が見つからなかったが、レジェンドで師匠の尾崎将司が救ってくれた。「ジャンボさんにひとこと言っていただいたおかげで、すっと自分の中に入ってきた」。テークバックからトップにかけての動きについて助言を受けたことで本来のスイングを取り戻す術を見つけ、自分のいるべき優勝争いの舞台に帰ってきた。

 出場10戦5勝の新記録を引っさげ、6月の全米女子オープンと全米女子プロ選手権に向かう。「自分が今、どれだけ戦えるか。しっかり結果として残せるよう頑張りたい」。日本で敵なしの西郷が、世界の強豪との戦いへ打って出る。

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