山下美夢有4打差逆転V!全英女子OP出場権獲得 強風下も安定、上位選手で唯一のノーボギー
「女子ゴルフ・宮里藍サントリー・レディース・最終日」(12日、六甲国際GC=パー72)
4位から出た山下美夢有(20)=加賀電子=が4バーディー、ノーボギーの68でスコアを四つ伸ばし、通算12アンダーで4打差を逆転して優勝した。5月の国内メジャー、ワールド・サロンパス・カップに続く今季2勝目で通算3勝目。今大会2位以内に与えられる全英女子オープン(7月、スコットランド・ミュアフィールド)の出場権を獲得した。首位から出た藤田さいきはスコアを一つ落とし、1打差2位で11年ぶりの6勝目を逃した。
最後に風が味方してくれた。最終組の1組前。山下が首位タイで迎えた最終18番パー4は、右ラフからの第2打がグリーン右奥に外れた。約30ヤードの下りのアプローチが残ったが「難しかったが風がアゲてくれていた。そこまでの下りでなくて止まってくれて、イメージしやすかった」。50センチにつけパーセーブし逆転優勝につなげた。
4日間で最も強く風が吹いた最終日に、上位選手でただ一人のノーボギー。「すごく自信になりました」と胸を張った。
強風下でもショットが安定したのは、2日目のラウンド時から帯同したコーチの父・勝臣さんの的確な指導があったから。球が散る原因がスイング軸のブレにあると見抜き、ホールアウト後にフェアウエーバンカーからのショット練習を課された。
不安定な砂の上で軸を安定させて打つことで、前に突っ込んでいたブレを解消。3、4日目でスコアを七つも伸ばし、逃げ切りで完全優勝したサロンパス・カップとは反対の逆転優勝につなげた。
そのサロンパス・カップは最終日が母の日で、初日が誕生日だった母・有貴さんへのプレゼントになった。今回は父の日の1週間前。「落ち着いたら家族みんなでパーティーができれば」と、勝臣さんに感謝を伝える機会を思い描く。
この優勝で全英女子オープンの出場権を獲得。本人は「行きたい気持ちはあるが、来週までに決めたい」と慎重に言葉を選んだが、父と海外遠征への条件にしていた国内メジャー制覇と年間複数回優勝の二つを達成。次は世界へ。機は熟した。