佐藤心結“藍”言葉でスランプ脱出 18歳ルーキー自己ベスト64で首位発進
「女子ゴルフ・ニチレイ・レディース・第1日」(17日、袖ケ浦CC新袖C=パー72)
18歳のルーキー佐藤心結(ニトリ)が1イーグル、7バーディー、1ボギーの8アンダー64をマークして単独首位に立った。7アンダー65を出した西村優菜が1打差の2位につけ、有村智恵が6アンダー66で3位。2週連続優勝を目指す山下美夢有は4アンダー68で稲見萌寧らと並び5位につけた。
本領発揮の1打だった。後半アウト1番パー5。佐藤心が3番ウッドを強振した。ピンまで残り225ヤードの第2打。ボールは花道を転がって、ピン手前5メートルで止まった。大爆発を予告する鮮やかなイーグル奪取。「あれで流れに乗れた」と笑顔で振り返った。
続く2番は12メートルの超ロングパットを決めてバーディーを奪った。「“ゾーン”に入るってこんな感じかと思った。今までにない感覚だった」。この勢いでアウトは29をマークし、自己ベストの64をたたき出した。
飛距離が魅力の大型ルーキー。アマチュアだった昨年スタンレーでは、優勝した渋野日向子とプレーオフを戦い注目を集めた。今季は開幕戦のダイキンオーキッド13位と好スタートを切ったが、6戦目の富士フイルム・スタジオアリスから7試合連続予選落ちのどん底を味わった。
原因は30ヤード前後のアプローチの不調だったが、このスランプ脱出のきっかけは“レジェンド”の金言だった。最後に予選落ちしたブリヂストン開幕前の宮里藍さんとの座談会。「藍さんに悩みを話すと『魔法はないよ』という言葉をいただいた。藍さんも同じような時期があったそうで、気持ちがリラックスできた」と明かした。
以後は30ヤード前後のアプローチを残さないマネジメントを徹底し、翌週から前週まで予選を通過。そして今週は2003年生まれ優勝一番乗りのビッグチャンス。前週活躍した同期の尾関彩にも刺激をもらい「同期の頑張りに自分も闘争心が湧いた」。魔法はないかもしれないが“魔法の言葉”はきっとある。