岩井ツインズ妹・千怜が初V ルーキー&世代一番乗り 堂々逃げ切り涙「努力してよかった」

 「女子ゴルフ・NEC軽井沢72・最終日」(14日、軽井沢72G北C=パー72)

 ツアー本格参戦1年目の岩井千怜(ちさと、20)=Honda=が首位から出て、5バーディー、2ボギーの69でスコアを三つ伸ばし、通算13アンダーで初優勝した。今大会53位だった双子の姉・明愛(あきえ)が18番グリーン脇で見守る前でウイニングパットを沈めた。2002年度生まれの選手、昨年6月のプロテスト合格組で優勝一番乗り。同じく首位から出て初優勝を狙った吉本ひかるや岡山絵里、植竹希望、勝みなみ、吉田優利、堀琴音の6選手が1打差の2位に並んだ。

 涙があふれ出た。最後は2メートル弱のパーパットがカップで一回転して外しボギーとしたが、それでも1打リードは守った。両手を上げて「やったー!」と叫んだ岩井千は、18番グリーン脇で見守った双子の姉・明愛と固く抱き合った。

 堂々の逃げ切り優勝だ。前半は一つしか伸ばせず、同組の吉本にリードを許した。「(目標の)四つ伸ばそう。焦りはなかった」。後半10番で4・5メートルを沈めてバーディーを奪い首位に並ぶと「よっしゃ来た!」とガッツポーズ。11番の連続バーディーで単独トップに立ち、13番パー5のバーディーでリードを2打に広げた。

 それでも攻めの姿勢は不変。16番パー5は果敢に2オンを狙った。「見ててワクワクするようなプレーをしたかった。勝つには攻めるしかないので」。3日間を通して自分のプレーを貫いた。

 岩井ツインズとして姉とともにアマチュア時代から注目されてきた。昨年6月のプロテストも2人で上位合格。同年9月の下部ツアーで2人で2週連続優勝を飾るなど順調だったが、年末のQTは90位。70位だった姉と今季前半戦の出場権を得られなかった。

 8試合と限られた推薦出場で結果を出さなければ先はない。その6試合目、6月のリシャール・ミル・ヨネックス・レディースで2位に入り、リランキング33位に。30位だった姉とともに9月末までの出場権を得た。「QTがダメで。それでも自分でチャンスをつかんだ。努力してよかった。報われた」。そんな初優勝の涙だった。

 この勝利で来季のシード権を獲得し、また次の目標も生まれた。「(9月末の)日本女子オープンに出るには優勝するしかなかった。ぜひ女子オープンで勝ちたい」と力強く言い切った。

 ◆4組目の双子姉妹プロで初の優勝 女子ゴルフではこれまで本山恵子・裕子、久保啓子・宣子、池内絵梨藻・真梨藻の双子姉妹がおり、岩井明愛、千怜は4組目。このうちツアー優勝は千怜が初めて。

 ◆岩井千怜(いわい・ちさと)2002年7月5日、埼玉県川越市出身。双子の姉・明愛(あきえ)とともに8歳でゴルフを始め、ともに強豪の埼玉栄高へ。武蔵丘短大1年時の21年6月にプロテスト合格。同年9月、カストロール・レディースで下部ツアー初出場初優勝した。家族はほかに父・雄士さん、母・恵美子さん、弟・光太さん。名前の由来は、明愛が母方の祖母・愛子さんから、千怜は父方の祖母・千恵子さんからそれぞれ1文字をもらった。162センチ、59キロ。

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