馬場咲希 日本勢37年ぶり2人目V 17歳スーパーJKが快挙 メジャー4大会出場権
「女子ゴルフ・全米女子アマチュア選手権・決勝」(14日、ユニバーシティープレース・チェンバーズベイ=パー73)
マッチプレーによる決勝(36ホール)が行われ、17歳の馬場咲希(日本ウェルネス高)がモネ・チャン(21)=カナダ=を11アンド9の大差で下して優勝した。日本勢の大会制覇は1985年の服部道子以来で37年ぶり2人目となった。前半18ホールを7アップで折り返し、後半も22ホール目から6ホール連続で奪い決着。来年のメジャー、全米女子オープン選手権やAIG全英女子オープンなどの出場権を獲得した。
17歳のヒロインの誕生だ。10アップで迎えたパー3の27ホール目。4メートルのバーディーパットを沈めると、馬場は右手で何度もガッツポーズを作った。1895年に始まったアマチュア最高峰の舞台で、日本勢として37年ぶり2人目の快挙。9ホールを残しての記録的な圧勝だった。
「まさか優勝できるとは思わなかった。目指してはいたけど、びっくりした」。決勝を11アンド9で制するのは、主催者によると3番目の大差。父哲也さんと抱き合うと、緊張の糸が切れたかのように涙があふれた。
ショットの飛距離、パットの精度ともにチャンを圧倒した。1ホール目を皮切りに前半18ホールで7アップとリード。約2時間半の休憩でも「流れが変わらないように」と気持ちを切らさなかった。
後半の序盤、20ホール目で相手のバーディー、次は1メートルを外す自身のミスにより2ホール連続で落とした。しかし、パー5の22ホール目。2メートルのバーディーパットを沈めると相手は1メートル半を外した。ここから怒濤(どとう)の6ホール連続奪取で栄冠をもぎ取った。
6月、初出場の全米女子オープンで49位。7月のジュニア大会を含め、何度も米国に遠征した。「外国にはこんなコース、グリーンがあると知った。外国人選手の飛距離、ショットの精度、何が違うか分かった」。今回、地元の米国人キャディーとも簡単な会話はできるようになったといい、明るくて物おじしない性格も勝負向きだ。
武器は175センチの長身を生かした迫力あるドライバーショットと、高い弾道のアイアンショット。今大会で一番貢献したクラブに「パター」と答え、グリーン上でも成長した。
優勝により、全米女子オープンをはじめ来年のメジャー4大会の出場権を獲得。「夢は海外メジャーで優勝すること」。高校2年生の可能性は無限に広がっている。
◆馬場咲希(ばば・さき)2005年4月25日、東京都出身。父の勧めで5歳でゴルフを始めた。今年5月のブリヂストン・レディースで28位に入りベストアマ。日本地区予選を突破して臨んだ6月の全米女子オープンは49位。日本女子アマチュア選手権では9位だった。ドライバーショットの平均飛距離は270ヤード。あこがれは自分と同じ長身選手のネリー・コルダ(米国)。日本ウェルネス高2年。175センチ。