“逆輸入プロ”大西魁斗が初V 3打差3位から追い上げPO制する「夢の中にいるよう」

 優勝した大西魁斗
 最終日、プレーオフ1ホール目でバーディーを奪い雄たけびを上げる大西魁斗。ツアー初優勝を決めた
 優勝した大西魁斗
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 「男子ゴルフ・フジサンケイ・クラシック・最終日」(4日、富士桜CC=パー71)

 プロ2年目の大西魁斗(23)=ZOZO=がうれしい初優勝を果たした。朴相賢と通算11アンダーで首位に並び、プレーオフの1ホール目でバーディーを奪って決着をつけた。正規のラウンドは3位から出て6バーディー、3ボギーの68で回った。岩田寛は通算10アンダー3位。石川遼は67をマークし通算8アンダー5位に食い込んだ。

 「カモン!」。18番グリーンに大西の絶叫が響き渡った。プレーオフの1ホール目、2メートルのウイニングパットを決めた瞬間、右の拳を突き上げて喜びを爆発させた。

 「初優勝まで遠かったので本当にうれしい。夢の中にいるようです」

 首位に3打差3位からスタート。前半3つのバーディーで追い上げ、迎えた勝負の後半イン。14番で第2打を1・5メートルにつけてバーディーを奪い、15番は第3打を30センチにピタリ。16番で左奥カラーから8メートルを沈めて朴相賢をとらえたが、正規の18番で決めれば優勝の2・5メートルを外して、プレーオフにもつれ込んだ。

 「クラブハウスで待っている間は負けたと思った。でも、誰かから頑張ってと声を掛けられて、プレーオフになったと分かった。お客さんの声援が本当に力になりました」

 “逆輸入プロ”といわれる。9歳の時に渡米し、テニスの錦織圭らを輩出したIMGアカデミーで腕を磨いた。現地では米ツアー3勝の丸山茂樹にも師事。「今日は難しいアプローチが何度もあったけど、アメリカの難しいコースでやってきたので、パーセーブできた」と振り返った。

 今季は前週まで2位が2回と悔しい思いを重ねていたが、ついに初優勝をつかみ取った。今後の目標は米ツアー参戦で、年内に欧州ツアーと米ツアーのQスクールを受験する意向も表明。「まだ日本で1勝できたばかりだけど、PGAツアーで優勝したいと思っている。チームのみんなと頑張っていきたい」。男子ゴルフ界に待望の新星が飛び出した。

 ◆大西魁斗(おおにし・かいと)1998年10月13日生まれ。23歳。愛知県出身。5歳でゴルフを始めた。9歳で渡米し、13歳からIMGアカデミーでゴルフを学んだ。南カリフォルニア大時代はオールアメリカンに選出され、全米アマには3度出場。昨年プロ転向。父・泰斗さんは東洋学園大教授で、NHKの英会話番組にも出演している。177センチ、70キロ。血液型A。

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