中島啓太 ガチガチプロデビュー 上々19位発進も「ボールが揺れて見えた」
「男子ゴルフ・パナソニック・オープン・第1日」(22日、小野東洋GC=パー72)
世界アマランク1位からプロ転向した中島啓太(22)=日体大4年=のデビュー戦第1ラウンドは3バーディー、ボギーなしの69。3アンダーで19位スタートとなった。首位は7アンダーで、桂川有人(23)=国際スポーツ振興協会=と今平周吾(29)=ダイヤ=が並んだ。
遠くで正午の時報を告げる音とともに、1番でティーアップした中島。硬い表情で放った4番アイアンの打球は、右に飛び出した。クラブを口にくわえるような姿勢のまま、しばし固まり、行方を追う。さほど距離も出ないまま、ボールは深いラフに止まった。
「むちゃくちゃ緊張した。バックスイングをとっていると、ボールが揺れて見えた」。これまでアマの大舞台を何度もくぐり抜け、プロの試合で優勝争いも経験、今年は海外でメジャーに3試合出た。平日とあって、観客もそれほど多くない。だが、プロになったという重圧は、それらをはるかに上回った。
「自分はどこでもよく眠れる方だけど、今日は午前6時30分に起きる予定が、2時に目が覚めた。それからは、寝たり起きたりだった」という。
10番までは全部パー。うち5ホールは1パットの綱渡りだった。11番でようやく1・5メートルが入ってプロ初バーディー。14番と15番も取ったが、「ショットがまっすぐ行っても、たまたまだった」。ようやく体が普段通りになったと感じたのは、17番に入ってからだった。
プレー中は目の前のことに必死で、大会連覇がかかっていることも忘れていた。それでも、左右OBが多く、雨でグリーンの転がりが不安定だったコースを、ボギーなしで回った。「明日からは、今日が一番悪い日になるように」。重い足取りではあったが、中島はプロの階段を1つ上がった。