蟬川泰果 33位から首位浮上 史上6人目アマV見えた「ここで勝つか負けるか」

 「男子ゴルフ・パナソニック・オープン・第3日」(24日、小野東洋GC=パー72)

 33位から出た東北福祉大4年のアマチュア、蟬川泰果(せみかわ・たいが、21)が1イーグル、9バーディーの61で回り、国内ツアーでアマチュアがマークした18ホールでの最少ストロークと、大会最少ストロークを更新。通算16アンダーまで伸ばし、首位に立った。勝てば同学年の中島啓太(22)=日体大4年=に続き2年連続のアマ優勝、史上6人目のアマチュアのツアー優勝となる。宮本勝昌(50)=シーミュージック=と、2週連続Vがかかる大槻智春(32)=真清創設=も首位に並んだ。

 343ヤードの1番パー4だった。先に同組のプロ2人が第1打を打ち、最後に蟬川。係員がギャラリーに動かないよう、注意を呼び掛けた。すると蟬川は「あ、(グリーンを)狙うんで。まだ大丈夫です」。しばらく待ち、前の組がグリーンからいなくなったのを見届けると、ドライバーを一閃(いっせん)。打球は弾丸のように飛び出し、グリーンエッジまで15ヤードの地点まで飛んで行った。

 ゆっくりしたテイクバックから一瞬ためを作り、強烈に上体をターンさせるスイングで、300ヤード超を飛ばす。だが、本人は「今週は狭いコースなので、ほどほどに振っている」という。それでも、実質228ヤードの8番パー3は4番アイアンでベタピン、15番は残り268ヤードを3番アイアンで1メートルにつけてイーグルと、飛ばしまくっている。

 4月の関西オープンで2日目に首位に立ち(結果は17位)、6月の下部ツアーでプロを抑えて優勝。8月末からの世界アマチーム選手権(フランス)個人戦では、3日目まで首位を独走(結果は2位)と、プロ・アマ通じて活躍中。秋には2次予選会に出場し、来年からプロ活動に入る。

 先を走る中島には、「自分の力を知るいい物差し。いつか追い越したい」と、ライバル心を燃やす。前日の女子ツアーで山下美夢有(加賀電子)が60を出したことにも「俺も12アンダー目指す」と、前夜から強烈に意識していた。

 「ここで負けてしまうと負け癖がつく。ここで勝つか負けるかで、自分の人生が決まってしまう」。ツクツクボウシが鳴く故郷・兵庫の森で、蟬川が羽化のときを迎えた。

 ◆蟬川泰果(せみかわ・たいが)2001年1月11日、兵庫県加東市出身。興国高時代の2016年、18年の国体個人戦で優勝。21年にナショナルチーム入りした。東北福祉大4年で主将を務める。目標は、名前の由来にもなっているタイガー・ウッズ(米国)。175センチ、77キロ。

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