松山 バンカーから直接沈めてバーディー 10打差31位浮上も連覇は厳しく
「米男子ゴルフ・ZOZOチャンピオンシップ・第3日」(15日、アコーディアG習志野CC=パー70)
49位から出た松山英樹(30)=LEXUS=は5バーディー、1ボギーの66でスコアを四つ伸ばし、通算4アンダーで31位に浮上した。首位とは10打差で連覇は厳しい状況となったが、この日もバンカーから直接沈めてバーディーを奪うなどギャラリーを熱狂させた。13位から出た20歳の新鋭、久常涼が65で回り9アンダーとして8位に順位を上げ、中島啓太は8アンダーで14位に後退した。リッキー・ファウラー(米国)が通算14アンダーで単独トップ。
やっときた。7番パー3。ピン右上2・5メートルの下りフックラインがゆっくりとカップに吸い込まれると、松山は何かから解放されたかのような安どの表情を見せた。
後半最初のバーディーを「やっと、という気持ちとギャラリーが沸いてくれたのでよかった」と振り返ると、最大のヤマ場は8番パー4。右からの第2打はグリーン手前のバンカーに入った。ピンまで約15ヤード。狙えない距離、ラインではない。
子どもの声が聞こえて仕切り直したが「逆に(アドレスを一度)解いた方がよかったな、という感じでうまく打てた」。ボールは手前で2バウンドしてカップに転がり、何重にも囲んだギャラリーを熱狂の渦に包んだ。
前半のインは3バーディー。2日目のプレー後に練習した課題のパッティングは「後半に入って分かんなくなってしまった」と1番から3連続でショートした。5番パー3は逆に、5メートルから2メートルもオーバーして3パットのボギーとしたが、次の6番で「いい感覚が戻ってきた」という。
狙っていたビッグスコアは出せず首位とは10打差。「優勝のチャンスはかなり厳しいと思う」と自覚する。「まあ、50台を出さないと勝てないと思うので頑張ります」と自嘲気味に言ったが、この日のようなファンの後押しがあれば何かが起きるかもしれない。