蟬川64で暫定首位 95年ぶり日本OPアマVへ絶好発進「60台毎日並べていきたい」

 「男子ゴルフ・日本オープン選手権・第1日」(20日、三甲GCジャパンC=パー70)

 日没サスペンデッドで6人がホールアウトできなかった。競技を終えた選手では蟬川泰果(21)=東北福祉大4年=が7バーディー、1ボギーの64でラウンドし6アンダーで暫定首位。64は詳細な記録が残る1985年大会以降のアマチュア最少スコア。27年の第1回大会を制した赤星六郎以来、95年ぶりアマ優勝へ絶好のスタートを切った。2打差の同2位に金谷拓実、3打差の同3位に小平智。アダム・スコット(オーストラリア)は同32位、石川遼は同62位。

 世紀の優勝へ最高のスタートを切った。2位に2打差をつけた蟬川は「難しいセッティングでも果敢に攻めて自分らしさを貫いた結果。ここまでのスコアは出ると思っていなかったので、すごく貯金ができた」と6アンダー発進を振り返った。

 3ホール目の12番パー4で4メートルを沈めて最初のバーディー。フェアウエーを外したのは5番だけ、パーオンできなかったのは7番だけで、安定したショットを武器に7バーディーを奪った。

 6月に下部ツアーを制した後は「全部の試合で勝てるイメージが湧いている」という。ショットを打つ前も、以前は失敗を想像することもあったが、今は恐怖心が芽生える前に「成功する、絶対真っすぐ行く」とイメージできている。

 順風満帆だったわけでない。8月の世界アマチーム選手権(フランス)では最終日に5打差を逆転されて個人2位。時差も考えずに父・佳明さんに電話し「こんな思いをするならゴルフをやめる。サラリーマンになる」とこぼしたという。

 帰国後は空港から埼玉県内での学生の試合に直行し再起。9月のパナソニック・オープンで史上6人目のアマチュア優勝を果たした今は「(来年の)仕事場が決まった」と覚悟を持って臨んでいる。

 車で30分の加東市の実家から通う今大会。母・徳子さんが朝3時半起きで準備した朝食をとって迎えた初日を最高の形で終えた。「あしたもっといいスコアで回れれば。60台を毎日並べていきたい」と力強く宣言した。

 ◆蟬川泰果(せみかわ・たいが)2001年1月11日、兵庫県加東市出身。興国高時代の16、18年の国体個人戦で優勝。21年にナショナルチーム入りした。東北福祉大4年で主将を務める今年は、6月の下部ABEMAツアー、ジャパンクリエイト・チャレンジで優勝。9月の男子ツアー、パナソニック・オープンで史上6人目のアマチュア優勝。10月5日付の男子世界アマランキング1位になった。目標は、名前の由来でもあるタイガー・ウッズ(米国)。175センチ、77キロ。

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