河本結 単独トップ 今季トップ10入り一度と苦戦「人間力磨く時間なのかな」
「女子ゴルフ・延田グループ・マスターズGCレディース・第2日」(21日、マスターズGC=パー72)
首位タイからスタートした河本結(24)=リコー=が6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算13アンダーで単独トップに立った。首位に並んで出た原英莉花(23)=NIPPON EXPRESSホールディングス=は通算8アンダーで4位に後退。8月の全米女子アマチュア選手権を制した馬場咲希(17)=代々木高=は2オーバーで予選落ちした。
インスタートの18番。8メートルのバーディーパットを決めると、河本は小さなガッツポーズと笑顔で拍手に応えた。2日連続ノーボギーの安定感。パットがさえた一方で「後半は本当に耐えるゴルフだった」と言うが、動じることはなかった。「ボギーを打たず耐え切れたことは、次につながる。自分をほめたい」と自画自賛した。
今季はこの試合前まで32試合で、トップ10入りは一度。ポイントランキングは68位と苦しんだが「人間力を磨く時間なのかなと、歯を食いしばって耐えた」と言う。風呂にまで持ち込んで見ていたSNSを絶ち、自己啓発本を読みあさって自分を見つめ直した。
「QTに行くかどうかの瀬戸際で腹をくくった。全力でゴルフに尽くして終わろうと思う」という境地の今大会。19年以来3年ぶりのツアー2勝目を挙げれば、今年8月にツアー初優勝を果たした弟の河本力(22)=フリー=と同一年「きょうだいV」を達成する。男女のきょうだいが同年に各ツアーで優勝すれば、中嶋常幸と恵利華(現在の登録名はエリカ)、宮里聖志、藍に続く3組目となる。
2位に3打差をつけて挑む決勝ラウンド。「素直にこの位置にいられるのはうれしい。ワクワクしているし楽しい」と言う笑顔には、もがき苦しんだ陰はない。
◆河本 結(かわもと・ゆい)1998年8月29日、愛媛県松山市出身。5歳でゴルフを始め、15年IMG世界ジュニア選手権3位。松山聖陵高から日体大。18年ステップアップツアー獲得賞金1位となり、同年7月プロテスト合格。19年アクサ・レディースで初優勝。身長163センチ。趣味は映画鑑賞、カラオケ。