デイリースポーツ制定「ホワイトベア・スポーツ賞」の２０２２年度受賞者が決定した。五輪４大会連続出場し１８年平昌五輪スピードスケート女子５００メートル金メダルなど功績を残し引退した小平奈緒さん（３６）、男子ゴルフツアー史上初めてアマチュアで２勝した蝉川泰果選手（２２）。スポーツ界を沸かせた２人の選考理由を紹介する。

　２０２２年９月のパナソニックオープンでアマチュア史上６人目のツアー優勝を飾った。３日目に６１をマークし、最終日はトップタイで最終組からスタートすると、後半に怒とうの５連続バーディーで抜け出して栄冠。アマとして倉本昌弘、石川遼、松山英樹、金谷拓実、中島啓太と、そうそうたる顔ぶれに並ぶ快挙だった。

　そして大器はさらにここから想像の斜め上をいった。１０月の国内メジャー、日本オープンを制した。しかも４日間首位を譲らない完全優勝をやってのけた。伝統のナショナルオープンでのアマチュア王者は、第１回大会の赤星六郎以来９５年ぶり。同時にアマチュアが２勝を達成したのはツアー史上初めてと、歴史的な偉業を成し遂げた。

　３００ヤード超を飛ばすドライバーのアグレッシブさが持ち味。昨季途中からプロ転向を果たし、今年は米ツアーにも挑戦する。目標は名前の由来にもなっているタイガー・ウッズ（米国）だ。

　◆蝉川泰果（せみかわ・たいが）２００１年１月１１日、兵庫県加東市出身。名前はタイガー・ウッズに由来し、おもちゃのクラブを持った１歳から競技に親しんだ。大阪・興国高から東北福祉大へ進み、２２年６月に下部のＡＢＥＭＡツアー、ジャパンクリエイトチャレンジｉｎ福岡・雷山で優勝。９月は世界アマチュアチーム選手権個人２位に入り、パナソニックオープンで男子ツアー史上６人目のアマ優勝。１０月に日本オープンを制し、アマ史上初のツアー２勝目を飾った。