蟬川泰果 本場で魅せた“タイガ”チャージ 暫定46位浮上!予選突破確実に

 「米男子ゴルフ・ソニー・オープン・第2日」(13日、ワイアラエCC=パー70)

 101位から出た蟬川泰果(22)=東北福祉大4年=が6バーディー、2ボギーと巻き返し、通算3アンダーで暫定46位に浮上した。松山英樹、中島啓太も3アンダーで同46位につけ、通算2アンダーで同58位の比嘉一貴まで、日本勢は4選手の予選通過が確実となった。大西魁斗は1オーバー、桂川有人は4オーバー、アマチュアの岡田晃平(東北福祉大3年)は9オーバーで予選落ちが確定。日没サスペンデッドで1選手が競技を終えられなかった。通算11アンダーでクリス・カーク(米国)が暫定首位。

 ルーキーが真価を見せ始めた。蟬川はロングパットがさえ渡り、スコアを急伸。「目標にしていたひとつでも伸ばすことはできたので良かった」と表情をほころばせた。

 インから出て、13番パー4で13メートルを流し込み、この日最初のバーディーを奪った。18番パー5では2オンに成功。イーグルパットとはならなかったが、ここからさらに集中力を上げた。

 4番まで圧巻の5連続バーディー。特に3番、4番と10メートル以上のバーディーパットを立て続けに沈めた。初日は4パットもあった中で、修正力を示した蟬川。「そんなにチャンスでもないパットを三つくらい入れて、すごくパッティングが良くなってきた。距離感は合ってますね」と手応えをつかんだ。

 昨年、史上初のアマチュアでのツアー2勝をマークした22歳。偉業を引っ提げて足を踏み入れた米ツアーデビュー戦は、初日に「パッティングもアプローチも、すごくレベルが高い」と世界の壁の高さに圧倒されていた。

 2日目はプレッシャーを感じる中でのプレーだった。「予選通過を意識した分、緊張した」。ただ表情は硬くても、出遅れをきっちり挽回する4アンダー。カットラインを乗り越え、松山ら先輩たちに並んで堂々と決勝ラウンド進出を確実にした。

 「いいスタートが切れた。少しでも上の順位に行けるように頑張りたい」と週末への気合は十分。勢いを加速させて、世界で戦える力を証明してみせる。

 ◆蟬川泰果(せみかわ・たいが)2001年1月11日、兵庫県加東市出身。名前はタイガー・ウッズに由来し、おもちゃのクラブを持った1歳から競技に親しんだ。大阪・興国高から東北福祉大へ進学。22年9月の世界アマチュアチーム選手権個人2位に入り、パナソニックオープンで男子ツアー史上6人目のアマ優勝。10月に日本オープンを制し、ツアー史上初のアマ2勝を飾った。22年11月にプロ転向。22年度のデイリースポーツ制定「ホワイトベア・スポーツ賞」を受賞。175センチ、75キロ。

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