松山英樹 満身創痍16位「うまくいかなかった」ため息止まらず 一度は報道陣の取材拒否
「米男子ゴルフ・マスターズ・最終日」(9日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)
第3ラウンドの残りと最終ラウンドが行われた。2年ぶりの優勝を目指した松山英樹(31)=LEXUS=は第3ラウンドの12番の第2打から再開し、70として5位につけたが、最終ラウンドは2バーディー、5ボギーの75と落とし、通算2アンダーの16位となった。ジョン・ラーム(スペイン)が69で回り、通算12アンダーで初優勝。2021年全米オープン以来のメジャー2勝目、米ツアー11勝目を挙げた。4打差の2位にフィル・ミケルソン、ブルックス・ケプカ(ともに米国)が並んだ。
第3ラウンド再開後、スコアを三つ伸ばして最終ラウンドへ。首位とは6打差の5位につけた。逆転優勝も十分に狙える位置に、松山は「面白い展開で最後は回れるかなと思った」と、最後まで闘志を燃やした。
それでも、長丁場で、体はすでに満身創痍(そうい)だった。最終18番(パー4)は4日間好調だったティーショットが曲がり、ボールはコース上の右の木に直撃。2打目のアイアンショットがグリーン手前のバンカーにつかまり、1・2メートルのパーパットも外すなど「最後は(ショット、パターともに)両方ともうまくいかなかった」と、スコアを維持する余力もなかった。
「やっぱり、体が4日間いい状態でプレーできていないのが悔しい。そこを早くいい状態にして、練習も制限なくできるようになれば。体のメンテナンスを、早くいい形にしたい」
昨年から首痛に悩まされた体の状態はボロボロで「よくその位置にいられた」という。逆転の可能性を残していただけに、調整もままならない自身の状態に悔いが残る。ホールアウト後ため息が止まらず、悔しさのあまり一度は報道陣の取材を拒否した。
それでも、歴代チャンピオンの意地は見せた。2年ぶりのグリーンジャケットの奪還を目指した今大会。最終ラウンドは75をたたいたものの、嵐もあった第3ラウンドでは2日間に分けて五つのバーディーラッシュ。リーダーボードを駆け上がる度に、観衆から「レッツゴー、ヒデキ!!」という声も上がった。
リベンジは来年に持ち越しとなった。だが、マスターズだけが全てではない。今季のメジャーは始まったばかり。第2戦は5月18日開幕の全米プロ選手権(ニューヨーク州)で「次のメジャーまでにしっかりと準備をして、勝てるように頑張りたい」と前を向いた。