蟬川泰果 転向後6戦目のプロ1勝 V逸で大泣きの昨年大会から「すごく成長した」
「男子ゴルフ・関西オープン・最終日」(16日、泉ケ丘CC=パー71)
蟬川泰果(22)=フリー=がプロ転向後初優勝を飾った。3打差首位からスタートし、5バーディー、1ボギーの67で回って通算17アンダー。後続に4打差をつけて圧勝した。昨年アマチュアとして2勝しており、通算3勝目となった。蟬川と東北福祉大の同期でプロデビュー戦だった鈴木晃祐も、パー3でのホールインワンのほか6バーディー、4ボギーの67をマークし、3位に入った。
蟬川がついに覚醒した。最終18番。1メートルのウイニングパットを沈めると、目頭を押さえた。プロ転向6戦目(海外を除く)でつかんだ“プロ1勝”。2位に4打差をつける圧勝劇で、その強さを見せつけた。
史上初のアマ2勝を成し遂げ、昨年11月に鳴り物入りでプロ転向したが、その後はいまひとつ本領を発揮できなかった。今年も年明けから海外戦5試合に挑むも、予選落ち2度、最高は60位と振るわず。「(昨年10月の日本オープンの2勝目から)期間は短いが、自分の中ではすごく長かった。18番で泣きそうになった」と、正直な気持ちを吐露した。
最終日に逆転負けして大泣きした昨年大会から1年。「昨年は攻めてOBにした。悩んだら攻めていたが、今は悩んだら刻んでいる」と、これまでの超攻撃型のゴルフから一変。10番パー5では4番アイアンと3番ウッドをつないでグリーン手前40ヤード地点に置き、寄せて入れて会心のバーディーにした。
「優勝したかった。それに尽きる。去年の自分から、すごく成長したと思う」。アマチュア時代から8大会連続出場となる関西オープンで、プロとして成長した姿を見せつけた。
今大会は比嘉一貴、星野陸也、堀川未来夢ら主軸がこぞって欠場したが、最終日は5000人以上の観客が集まり、若い選手への期待の高さをうかがわせた。その中で勝ちきった蟬川は、「ツアーが盛り上がっていると感じている。昨年の大会で勝った比嘉さんは、賞金王になった。ぼくも賞金王を取りたい。海外メジャーにも挑戦したい」と、次の目標を口にした。
次週のISPSハンダ(茨城・PGM石岡)は、その比嘉が海外戦から戻って今季国内初登場する。欧州ツアーとの共催とあって、海外の強豪選手たちもやってくる。蟬川の新しい挑戦が始まった。