6年ぶりVの川岸史果 ドライバーを「人に当ててしまうのでは」 苦しんだゴルフ界のサラブレッド キャディーの母と掴んだ勝利
「女子ゴルフ・リシャール・ミル・ヨネックス・レディース・最終日」(4日、朝霧ジャンボリーGC=パー72)
川岸史果(28)=加賀電子=が2017年のマンシングウェア東海クラシック以来、6年ぶりに復活のツアー通算2勝目を挙げた。
第1ラウンドを4位タイで回ると、9ホールに短縮された決勝ラウンドで通算9アンダーに伸ばして首位に並び、佐久間朱莉とのプレーオフに突入。1ホール目でバーディーを奪って決着が着くと、母でエースキャディーの麻子さんと無言で涙を流しながら抱き合った。
母の麻子さんも元プロで、父はツアー通算6勝の川岸良兼。プロ転向2年目の初優勝で早くも頭角を現したが、翌年はシード権を維持できず、ゴルフ界のサラブレッドも大スランプに陥り、どん底を味わった。
ドライバーショットが「人に当ててしまうのではないか」と思い悩むほど不調に悩まされた。下部ツアーを主戦場にしていた時期もあったが、徐々に復活。2022年にはクラブ契約がフリーとなると「一番状態の良いクラブを選べる」と選択肢が増えたことで、持ち味だった飛距離が本来の姿に。アイアンの精度も高まって、昨季はトップ10が5回、今季は既に7回と上位争いで戦えるようになった。
初優勝時はハウスキャディーと回っていたため、今回が母とともに掴んだ初めての勝利となる。「それ(初優勝)から私がキャディーの時に勝ってよって言ってたんです」と麻子さん。母との約束を果たせた。
父はあいにくこの日は仕事で生観戦できず。麻子さんによると、前週大会などでも、度々試合を見に来ているという。苦しい時も見守ってくれた父に川岸は「私の目の前よりかは他の人の前で喜んでいると思う。いい報告ができると思います」と胸を張った。