川岸史果 6年ぶり2勝目でキャディーの母と涙の抱擁 「また優勝できて本当にうれしい」
「リシャール・ミル・ヨネックス・レディース最終日」(4日・静岡県朝霧ジャンボリーGC=6687ヤード、パー72)
第1ラウンドの残りと最終ラウンドの9ホールが行われ、川岸史果(28)=加賀電子=が2017年のマンシングウェア東海クラシック以来、6年ぶりのツアー通算2勝目を飾った。4位から出た決勝ラウンドは32で回り、通算9アンダーで佐久間朱莉とのプレーオフに突入。1ホール目にバーディーを奪って決着した。19年の鈴木愛以来、史上3人目の3週連続優勝を目指した山下美夢有は首位と1打差の3位だった。
心強い味方が近くで見つめる中、川岸は迷いなくウイニングパットを沈めた。プレーオフを制し、うれし涙を流しながらキャディーの母・麻子さんと熱い抱擁を交わした。「お互い思っているものがあった」と万感の思いが込み上げた。
「苦しい時期もあったが、また優勝できて本当にうれしい」。長い雌伏の時を経ての復活Vだった。プロ2年目の2017年に1勝したものの、翌年は「誰かに当ててしまうんじゃないか」とドライバーの不調に苦しみ、シードを喪失した。
減量して持ち前の飛距離が鳴りをひそめた時もあった。だが昨年、クラブ契約をフリーにして自分に合ったクラブを選ぶようになり、体重も元に戻すと、飛ばし屋だったころの自分が帰ってきた。この日も第1ラウンドの18番パー5で2オンしてイーグル、第2ラウンドもバーディーとロングホールで強さを見せた。
今週は生観戦できなかったが、父はツアー6勝で、現在シニアツアーで活躍する川岸良兼。麻子さんも元プロで、現在は娘のエースキャディーを務めるが、初優勝時は担いでいなかった。「それから私がキャディーの時に勝ってよって(史果に)言ってたんです」。6年ぶりにつかんだ2勝目。ゴルフ界のサラブレッドが母との約束を果たしてみせた。