畑岡奈紗 メジャー初V王手 単独首位浮上!一人だけ別世界ノーボギー66「思い切ってやるだけ」
「米女子ゴルフ・全米女子オープン選手権・第3日」(8日、ペブルビーチ・リンクス=パー72)
メジャー初制覇を目指す畑岡奈紗(24)=アビームコンサルティング=が6バーディー、ボギーなしでこの日のベストスコア66をマークし、通算7アンダーで5位から単独首位に浮上した。アリセン・コーパス(米国)が1打差2位。古江彩佳は73で通算1オーバーの9位に後退した。71の木下彩が4オーバーで19位、笹生優花は6オーバーで38位、西郷真央は7オーバーで45位、岩井千怜は8オーバーで50位、勝みなみは13オーバーで70位。
一人だけ別世界でプレーしているようだった。畑岡は前半で二つ伸ばすと、圧巻は後半。10、13番で長いバーディーパットを沈めると、16番パー4の第3打はグリーン奥から12ヤードのアプローチが大きく右に曲がって下りカップに吸い込まれた。
「上からすごく速いのは分かっていたが、昨日、同じようなチッピングをしてたのでイメージは良かった」。力強くガッツポーズを繰り出すと、17番も4メートルを沈めて連続。計6バーディーを奪い、しかもボギーなしのラウンドだった。
今週1番の風が吹いた中でただ一人の60台。「気温が高かったのでうまく体も動いてくれて、狙った通りのボールがたくさん打てた。うまく攻略できていなかったバックナインでバーディーを四つ取れたのは、すごく良かった」とうなずいた。
悲願のメジャー制覇に王手をかけた。2年前の今大会は首位と6打差で出た最終日に猛然と追い上げたが、笹生とのプレーオフに敗れた。さらにその前、2018年の全米女子プロ選手権も最終日に9打差を追いついたが、優勝した朴城炫と柳簫然(ともに韓国)とのプレーオフで最初に脱落した。
今回は1打リードの単独首位で最終日を迎える。「緊張はすると思うけど、やっぱり上にいるのは有利」と言い、「2年前もその前の全米女子プロでもプレーオフで勝てなかったが、今年はしっかり経験を積んできた。自分とサポートしてくれるスタッフを信じて思い切ってやるだけ」と迷いはない。
記者会見では米国で練習やラウンドをともにすることがある松山英樹について質問された。「マスターズで勝たれた時は同じ日本人としてすごくうれしかったし、勇気をもらえた。私も松山さんみたいな存在になれるように、明日一日また頑張りたい」。今度こそ世界の頂点に立つ。