木下裕5季ぶりV 37歳「挑戦者」が「奇跡」に涙
「男子ゴルフ・バンテリン東海クラシック・最終日」(1日、三好CC西C=パー71)
首位で出た木下裕太(37)=光莉リゾート&GOLF=が4バーディー、ボギーなしの67で回って通算15アンダーとし、2018年のマイナビABCチャンピオンシップ以来、5季ぶりのツアー2勝目を挙げた。星野陸也は67と伸ばして1打差の2位。前日首位の金谷拓実は通算13アンダーの3位になり、賞金ランキング1位に返り咲いた。木下稜介、市原弘大が12アンダーの4位。昨年優勝の河本力は9アンダーの8位だった。
こらえようとしたが無理だった。最後は1メートル強のパーパットを沈めて優勝を決めた木下裕は「勝った瞬間、涙があふれた。あの二人に勝った。達成感は初優勝より上だった」と声をつまらせた。
実力者を相手に一歩も引かなかった。最終組で賞金ランク2位の金谷、今季欧州ツアー挑戦中の星野と13アンダーで並んで迎えた15番パー5。先に2オンされたが3打目を6メートルにつけ、二人と同じ14アンダーに伸ばした。
「勝負する相手がすごすぎて完全に挑戦者としてできた。やってやろう、この二人に勝ってやろうと思って、ラウンド前からわくわくしてた」
左が崖の16番パー3は、左サイドのピンを果敢に攻めて右2メートルにつけた。バーディーこそならなかったが「スーパーショット」と自賛したほど。17番パー4は完璧なショットをそろえて右3メートルへ。これをねじ込んで右手を握り、この日初めて単独首位に立った。
今季この試合までトップ10入りはなく予選通過も8試合。腰痛で3試合に欠場した。「正直、37歳でまだゴルフができると思っていなかったので奇跡的な感じ」。過去2年と同様にシーズン終盤で来季シードをつかんだ。
この優勝で最終戦の日本シリーズJT杯の出場権も獲得。「初めての時は出られるだけで喜んでいた。優勝争いをしたい」と力強く言い切った。