菅沼菜々 キャピキャピV 早々2勝目で「みんな私を見てる」 乃木坂歌って緊張乗り越えた

 「女子ゴルフ・マスターズGCレディース・最終日」(22日、マスターズGC=パー72)

 首位から出た菅沼菜々(23)=あいおいニッセイ同和損保=が3バーディー、1ボギーの70をマーク。通算14アンダーで、8月のNEC軽井沢72以来の通算2勝目を挙げた。アイドルと自称する23歳は、こよなく愛する乃木坂46の曲を口ずさみながら緊張をほぐし、手堅く難グリーンを攻略していった。3打差の2位に山下美夢有、尾関彩美悠、福田真未が続き、通算10アンダー5位の天本ハルカがベストルーキー賞を受賞した。

 自称アイドルゴルファーに気負いはなかった。8月にプロ122試合目でようやく初優勝を挙げた菅沼が、殻を破ったように、そこからわずか8試合で2勝目。ライブステージのようにギャラリーが集まった18番で「みんな私を見てるんだな」と集まる視線が心地いい。最後は1・2メートルの短いパットを沈め、両手を挙げてファンの歓声に応えた。

 アイドルらしく正真正銘、歌を力に変えた。首位発進の追いかけられる立場。逆転を狙うライバルからのプレッシャーに、ツアー優勝者となっても緊張は付きもの。そんな時は小さな声で歌を口ずさんだ。

 もちろん歌うのは、3年前から一途に推す乃木坂46の曲ばかり。キャディーも一緒になって、8月にシングルリリースされた「おひとりさま天国」の気楽な歌詞で心を落ち着けた。仕上がったグリーンにスコアを落とす選手も多い中、4、9番で4メートルあった微妙な距離のバーディーパットを沈め、ピンチもことごとくしのいだ。

 アイドル性ばかり注目されるがもちろんアスリートとして細心の注意を払う。一番の好物がうどんで、次はすしだが、シーズン中は父の真一さん(55)によると「火の通っていないものは食べない」という。ただ、ホステス大会だった2週前のスタンレー・レディースホンダは細菌性のウイルス腸炎で棄権。ホストプロとしての無念を今週晴らした。

 ゴルファーとしての次の目標は、初のメジャー制覇。自称が付くアイドルとしては「キャピキャピ系」を目指す。天真らんまんな23歳は「明るく元気なところを見てほしい」と、これからもファンの視線をくぎ付けにしていく。

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