李ハナ 8位発進→逆転ツアー初V 中国生まれ韓国育ちの元ジャンボ門下生 三つ巴プレーオフ制す
「女子ゴルフ・樋口久子・三菱電機レディース・最終日」(29日、武蔵丘GC=パー72)
8位から出た李ハナ(22)=韓国=が5バーディー、ボギーなしの67をマークし、通算9アンダーで並んだ山下美夢有、仁井優花とのプレーオフを制して逆転でツアー初優勝を果たした。山下は優勝を逃したが、申ジエを抜いてメルセデスランキング1位に浮上。1打差の4位に川岸史果、2打差の5位に岩井千怜が続いた。
8位からのスタートだった李ハナが、気づけば首位でホールアウトしていた。後から追いついてきた山下、仁井と、18番パー5でのプレーオフに突入。156センチと小柄な体を目いっぱい使ってただ一人2オンに成功させた。ウイニングパットを沈めると、「うれしい気持ち」と少しだけたどたどしい日本語で喜んだ。
中国生まれ韓国育ちの元ジャンボ門下生。元々話せた中国語は、今は忘れてしまったというが、韓国語、英語、日本語を話せるマルチリンガルだ。両親が10年ほど前から仕事で先に日本に住んでいたため、高校時代は韓国で1人暮らしだったが、卒業後は家族のいる日本でプロになることを志した。
将来的な目標は米ツアー挑戦。初優勝を成し遂げて「初優勝できて、次はメルセデスランキング1位(が目標)。米ツアーも行きたい。すごい選手になりたい」と夢は膨らむ。前週のマスターズGCレディースでイ・ボミが日本ツアーから引退したばかりだが、韓国から久々に大物誕生の予感だ。
◆李ハナ(り・はな)2001年7月26日生まれ。韓国仁川市出身。8歳からゴルフを始める。韓国の白山高卒業後、2021年のプロテストを前に来日し、6月にテスト合格を果たした。同年9月に行われた下部ツアーのユピテル静岡新聞SBSレディースを制するなど20~21年シーズンは3勝を挙げ、同ツアーの賞金女王に輝いた。元ジャンボ門下生で、韓国語、英語、日本語を話せる。156センチ、53キロ。