稲見萌寧 今季初Vに涙 4度のスイング改造花開いた「苦しい時期が続いたが優勝できた」
「日米女子ゴルフ・TOTOジャパンクラシック・最終日」(5日、太平洋クラブ美野里C=パー72)
3位で出た稲見萌寧(24)=Rakuten=が4バーディー、1ボギーの69でスコアを三つ伸ばし、通算22アンダーで逆転優勝した。昨年8月のニトリ・レディース以来となる今季初Vで、日本ツアー通算13勝目。首位から初優勝を目指した桑木志帆は通算21アンダーで、ペ・ソンウ(韓国)とともに2位に終わった。2打差4位は林希妤(中国)と申ジエ(韓国)。畑岡奈紗は18アンダーの8位、渋野日向子は12アンダーの40位だった。
1打リードで迎えた最終18番パー4も攻めた。第1、2打とも「完璧だった」と振り返った稲見は「最後も伸ばしたかった」。2メートルのバーディーパットこそ外したが、タップインパーで勝利をもぎ取り、両手を突き上げた。
前半は同じ最終組の桑木を追う展開。後半12番パー5でバーディーを奪い、このホールでボギーの桑木を逆転して単独首位に立った。15番で落としペ・ソンウと並んだが、17番パー5のバーディーでリード。「後半のロングで2オンして伸ばせた」と勝因を挙げた。
優勝インタビューでは「苦しい時期が続いたが優勝できた」と涙をこぼした。スイング改造は今年だけで4度を数えた。6月に柳橋章徳コーチに師事。形をなぞるのでなく、全身を使ってボールを打つことで理想的なフェードを手に入れた。
10月からはパッティング担当で、22歳と年下の須藤大和コーチもチームに加入。「パッティング練習は好きじゃなかったが楽しくできている」。すべてがかみ合い、1年3カ月ぶりの栄冠をつかんだ。
この優勝で来季の米ツアー出場資格を得た。参戦はチームとの相談次第だが「今までは日本で頑張って、日本ツアーをという感じだった。世界で戦える選択肢が増えたのは、新しい未来が切り拓かれたのかな」。東京五輪銀メダリストの眼前に大きな可能性が広がった。