「女子ゴルフ・伊藤園レディース・最終日」（１２日、グレートアイランドＣ＝パー７２）

　首位から出た西郷真央（２２）＝島津製作所＝が５バーディー、１ボギーの６８をマーク。通算１６アンダーで今季初優勝を果たした。昨年５月のブリヂストン・レディース以来の復活劇で、ツアー通算６勝目となった。

　最後のウイニングパットを沈めると、久々の勝利に天を見上げ、右手で顔を覆った。昨季終盤から不振に陥り「ずっとつらい時期が続くんじゃないか」と苦しみ続けたが、昨オフからの必死の努力が実って１年半ぶりの優勝にたどり着き「６勝目は（間が）すごく空いてしまったけど、またこうやって優勝できてうれしい」と笑顔を浮かべた。

　昨季はシーズン序盤に５勝を挙げたが、同時期に以前から抱えていた首痛の影響で、負担のないスイングを模索した。しかし、徐々にスイングは崩れ、「元々良かった部分が削られていた」と調子を落とした。

　昨季終盤はまさに悪い夢のようだった。最終戦のリコー杯では大会ワーストの３５オーバーで最下位。失意に暮れたままシーズンを終え、オフが始まっても２週間はクラブを握れる状態ではなかった。

　それでも、復活を信じ、懸命に努力した。昨オフは練習量を増やし、クラブのグリップはいつの間にか摩擦がなくなるほど。寝るまでゴルフのことを考えた。今季の開幕時点では不安は残ったが、今年挑戦した全米、全英女子オープンで予選を通過すると、すでに自信を取り戻していた。８月のＣＡＴレディースでは優勝を逃したが２位になるなど、夏頃にはすっかり復調していた。

　今月３０日からは来季の米女子ツアー参戦権を懸けた最終予選会に出場する。「しっかり来週に向けて気持ちを切り替えて、また練習していきたいなというところと、Ｑスクールも近づいてきているので、しっかり調整していきたい」と完全復活した今なら胸を張っていけそうだ。