西郷真央 復活V 1年半ぶり栄冠「信じられない」 昨季5勝も終盤不振 昨オフは練習漬けで不安払拭

 最終日、優勝パットを沈め、感極まる西郷真央(撮影・武藤健一)
 優勝杯を手に笑顔の西郷真央
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 「女子ゴルフ・伊藤園レディース・最終日」(12日、グレートアイランドC=パー72)

 西郷真央(22)=島津製作所=が今季初優勝を飾り、完全復活を果たした。首位から出て5バーディー、1ボギーの68で回って通算16アンダーまで伸ばし、昨年5月のブリヂストン・レディース以来となるツアー通算6勝目。昨季終盤から不振に苦しんだが、約1年半ぶりに栄冠を手にした。13アンダーの2位に木村彩子、12アンダーの3位に吉田優利ら4人が続いた。作陽高1年の中嶋月葉が9アンダーの10位でローアマを獲得した。

 1年半ぶりのウイニングパット。1メートルをカップに沈めると、西郷は感慨に浸るように天を見上げた。昨季終盤にドライバーが極度の不振に陥り、「ずっとつらい時期が続くんじゃないか」。苦しんだ大スランプを思い出し、右手で顔を覆う。だが、それはもう過去のこと。涙が出そうだった表情は、いつしか笑顔に変わっていた。

 「6勝目は(間が)すごく空いてしまったけど、またこうやって優勝できてうれしい」

 昨季はシーズン序盤に5勝の固め打ち。しかし、実はこの時期から歯車が狂い始めていた。プレーは好調だったが、頻繁に起こる寝違いで首痛を抱え、負担のないスイングを模索。いつの間にか「元々良かった部分が削られていた」と調子は下降線をたどり、最終戦のリコー杯では大会ワーストの35オーバーで、最下位という屈辱を味わった。

 シーズン終了後、2週間はクラブを握れなかった。それでも、必死に練習するしかなかった。昨オフはグリップの摩擦がなくなるほど練習量を増やし、寝るまでゴルフのことを考えた。そんな姿を母は励まし、師匠の尾崎将司はそっと見守る。不安を抱えたまま今季を迎えたが、全米、全英女子オープンを予選通過した夏頃にはすっかり自信を取り戻していた。

 実際、今大会は3日間でフェアウエーキープ率、パーオン率で全体3位とこれまでの努力が数字に表れた。「こうやって優勝争いするのも当時の自分では信じられない。それでも自分を信じてやり続けたのがつながった」。視線は30日からの米女子ツアー最終予選会へ。今の西郷なら心配はいらない。

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