「女子ゴルフ・ツアー選手権リコー杯」（２３日開幕、宮崎ＣＣ＝パー７２）

　逆転での年間女王を狙うメルセデスランキング３位の岩井明愛（２１）＝Ｈｏｎｄａ＝が２１日、大会の公式会見に出席した。

　この日は双子の妹・千怜とともに１８ホールの練習ラウンドで調整した。昨季は同大会に出場した千怜の応援でコースを訪れたことがあるが、出場は今大会が初めて。昨季はポイントランキング順での出場資格が得られず「去年は出たくても出られなかった。千怜の応援で（コースを）見て回らせてもらったけど、この舞台で戦えるのは良いなと思っていた。今年は自分が戦える立場になったので、うれしいし楽しみな気持ちでいっぱい」と開幕２日前から胸を躍らせた。

　メルセデスランキング首位の山下との差は１００・３９差。予選落ちがない大会で、最下位の４０位でも１０ポイントを得られる。明愛が年間女王を獲得するには１２０ポイントを獲得できる単独５位以上が最低条件。それでも、前週の大王製紙エリエール・レディースの３位で、山下とのポイント差を縮めて今週を迎えられただけに「１位（年間女王）を狙えるチャンスはあると思う。楽しみ」と逆転女王を虎視眈々（たんたん）と狙う。

　今季は４月のＫＫＴ杯バンテリンでツアー初優勝を果たすなど、計３勝を挙げた充実のシーズンといえる。ただ、「シーズン始めに５勝したいと思ってた」と高い目標を掲げていたことを明かし、「もう少し上にいきたい気持ちがあった」と今季の成績は完全に納得できるものではない。

　それでも、メルセデスランキング４０位だった昨季と比べ、自身でも精神面の成長を感じている。「少しだけ落ち着いて（プレーを）できるようになった。落ち着いてできると、去年は（コースの）狭かったと感じた部分が広く見えたりした。１年たったらこのコースってこんなに広かったっけ？って」

　初優勝が欲しくて、前のめりになりすぎていた１年前より大人になった。「今までは絶対勝ちたい勝ちたいで回ると、やっぱり自分自身が空回りしてしまう。（今は）たぶん無意識に楽しもうっていう感じになっていると思う」と楽しむ気持ちを忘れず、今季最終戦に臨む。