男子ゴルフ 中島啓太が初の賞金王 カシオ・ワールドオープン最終日

 男子ゴルフで賞金王に決まり、ボードを掲げる中島啓太
 18番でイーグルを奪い、ガッツポーズする中島啓太。通算12アンダーで4位
 最終日、18番でイーグルを奪った中島啓太。通算12アンダーで4位
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 「男子ゴルフ・カシオ・ワールドオープン・最終日」(26日、Kochi黒潮CC=パー72)

 賞金ランキングトップを走る中島啓太が9位から出て1イーグル、4バーディー、2ボギーの68でスコアを四つ伸ばし、通算12アンダーで首位と2打差の4位で終えた。今大会の960万円を加えて獲得賞金額を1億7248万6179円とし、1試合を残して今季賞金王が確定した。逆転の可能性があった選手では宋永漢(韓国)は13アンダーの2位タイ、金谷拓実は10アンダーの7位、蟬川泰果は9アンダーの10位に終わり、賞金2位の金谷とは約4382万円差に開いた。

 最終18番パー5を、中島が初賞金王にふさわしいイーグルで締めくくった。つま先下がりのラフから残り265ヤードの第2打は、ユーティリティーでグリーン右カラーへ運んだ。13ヤードのアプローチがカップの真ん中から吸い込まれると、戴冠を確信したかのように両手を広げて天を仰ぎ、右拳を何度も突き上げた。

 通算12アンダーで終え、その後、自身の単独4位とライバルたちの順位が決まり今シーズンの賞金王が確定。「うれしい。1年間、悪いときもあったが、しっかり自分やチームと向き合って戦ってこられたのでうれしい」と振り返った。

 特に最後は2歳上でジュニア時代から慕う金谷と一騎打ち状態。金谷のホールアウト後に抱き合って「1年間、本当に強かった」と祝福されると「1年間、ありがとうございました」と感謝した。

 15歳で日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチーム入りした頃から、その背中を追い続けてきた。プロ転向後の初優勝となった6月のASO飯塚チャレンジドでは金谷とのプレーオフを制した。常に進むべき道を示し、立ちはだかってきた先輩であり盟友との賞金王争い。6月以降は2人が1、2位を入れ替わりながら展開した。

 賞金王争いを意識したのも「デッドヒートになった頃から」という。「金谷さんも賞金王を意識されていたし、自分も意識して戦わないと置いていかれるという自覚もあった。賞金王というよりは、金谷さんとの戦いに勝つという気持ちだった」。だからこそ「金谷さんがいなかったら自分もここまで粘れていない。(争う相手が)金谷さんでなかったら、賞金王になれていたかわからない。争えたことを本当にうれしく思うし、勝てたことはすごく自信になる」と感謝の思いを並べた。

 この日、賞金王を決めたい理由があった。第3日終了後にホテルに戻る車の中で、幼なじみが今週の初めに急逝したと母・美知子さんから知らされた。

 本人には何年も会えていなかったが、家族ぐるみの付き合いで自分のゴルフを応援してくれていたことは知っていた。だから「きょうは彼と彼の家族のために戦おうと決めていた」という。

 ラウンド中は「天国から見守ってくれている感じだった」。最後のチップインイーグルも「実はちょっと左に跳ねたが、最後に(右に)スライスして真ん中から入ってくれた。あれは自分の力ではなく彼の力だと思う。それで賞金王になれてうれしい」。その瞬間、天を仰いだのは、幼なじみへの思いからだった。

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