中島啓太 初の賞金王 幼なじみ急逝「彼の力」最終18番イーグル締め

 男子ゴルフで賞金王に決まり、ボードを掲げる中島
 18番でイーグルを奪い、ガッツポーズする中島
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 「男子ゴルフ・カシオ・ワールドオープン・最終日」(26日、Kochi黒潮CC=パー72)

 中島啓太(23)=フリー=が初の賞金王に輝いた。9位から出て1イーグル、4バーディー、2ボギーの68でスコアを四つ伸ばし、通算12アンダーで首位と2打差の4位に入った。獲得賞金額を1億7248万6179円とし、最終戦の日本シリーズJT杯で逆転される可能性がなくなった。首位タイで出た鍋谷太一(27)=国際スポーツ振興協会=が5バーディー、1ボギーの68で通算14アンダーに伸ばし、プロ12年目で初優勝を果たした。

 最終18番パー5を賞金王にふさわしいイーグルで締めくくった。中島は残り265ヤードの第2打をグリーン右カラーへ運ぶと、13ヤードのアプローチがカップに吸い込まれた。戴冠を確信したかのように両手を広げて天を仰ぎ、右拳を突き上げた。

 その後、単独4位の順位と、ライバルの順位が決まって賞金王が確定。「1年間、悪いときにもしっかり自分やチームと向き合って戦ってこられたのでうれしい」と振り返った。

 賞金王争いは2歳上でジュニア時代から慕う金谷との一騎打ち状態。6月以降は2人が1、2位を入れ替わりながら展開した。

 15歳で日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチーム入りした頃から、その背中を追い続けてきた。プロ初優勝となった6月のASO飯塚チャレンジドも金谷とのプレーオフを制した。常に進むべき道を示してくれ、立ちはだかってきた先輩であり盟友とラウンド後に抱擁。「本当に強かった」と祝福され「1年間、ありがとうございました」と感謝した。

 この日、どうしても賞金王を決めたい理由もあった。前日、幼なじみが今週の初めに急逝したと母・美知子さんから知らされた。「彼と彼の家族のために戦おうと決めていた」。最後のチップインイーグルも「実はちょっと左に跳ねたが、最後に(右に)スライスして真ん中から入った。あれは自分の力ではなく彼の力。それで賞金王になれてうれしい」。その瞬間、天を仰いだのは、幼なじみへの思いからだった。

 ◆中島啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日生まれ。埼玉県出身。6歳のときテレビで見たタイガー・ウッズの影響でゴルフを始める。東京・代々木高から日体大。21年から2年連続でアマチュア世界ランク1位に贈られるマコーマックメダル獲得。21年9月のパナソニック・オープンで当時史上5人目のアマチュアV。同年のアジア太平洋アマを制し、翌22年にマスターズ・トーナメントなどに出場。昨秋プロ転向。今季はASO飯塚チャレンジドなど3勝。家族は父・正昭さん、母・美知子さん、姉・由貴さん、美貴さん。177センチ、75キロ。

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