「女子ゴルフ・ＪＬＰＧＡ新人戦・加賀電子カップ・最終日」（８日、グレートアイランドＣ＝パー７２）

　９６期生の首位から出た高木優奈（２５）＝フリー＝が５バーディー、３ボギーの７０をマーク。通算５アンダーで初日から首位を守り、完全優勝でプロデビュー戦を勝利した。

　出だしの１番から２・５メートルを沈めて、バーディー発進に成功。以降はバーディー、ボギーが入り交じる展開だったが、きっちり７０にまとめた。２日目には１０番で誤球の２罰打があり、ダブルボギーを喫するアクシデントもあったが、「なかったことにするには勝つしかなかった。この２打に泣きたくなかったので本当に良かった」と逃げ切り勝ちに安どの表情を浮かべた。

　プロテスト６度目で悲願の合格をつかんだ苦労人。単年登録制度で出場していた２０～２１年は４５試合もレギュラーツアーに出場していた。しかし、制度廃止となった２２年にはＪＬＰＧＡの正会員でなかったため、ＱＴを受けることができず日本のツアーに出場できなかった。ステップアップツアーでの優勝経験もあるが、正真正銘のプロ１勝目をつかみ取り「うれしいです」と率直な喜びを口にした。

　昨年までは１８０万円だった優勝賞金も、今年から２７０万円に増額。「賞金を手にするのは初めてじゃないけど、本当に勝ててうれしい。去年だったら２日間競技で（賞金も）もっと少なかった。良かった６回目で合格してって、今初めて思いました」と今までの苦労も少しは報われた。

　ＱＴランキング１４位で来季前半戦の出場資格も既に得ている。「もっともっとゴルフがうまくなりたいし、強くなりたい。レギュラーツアーでは、シードはもちろん優勝を目指して１年間頑張りたい」。遅れてきた２５歳の黄金世代が、来季の戦いに向けてすでに闘志を燃やしている。