杉浦悠太「ホワイトベア・スポーツ賞」 史上7人目アマV 海外挑戦も見据える22歳の新星
デイリースポーツ制定「ホワイトベア・スポーツ賞」の2023年度受賞者が決定した。卓球女子団体の五輪3大会連続メダリストで、昨年5月に現役を引退した石川佳純さん(30)=全農=と、昨年11月の男子ゴルフツアー「ダンロップ・フェニックス」で、史上7人目のアマチュア優勝を成し遂げた杉浦悠太選手(22)=日大=を選出した。スポーツ界に夢と希望を与えた2人の選考理由を紹介する。
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2023年11月のダンロップ・フェニックスで頂点に立った。杉浦は初日に64をマークして、2位につけるロケットスタート。2日目は2位に3打差をつけて単独首位に浮上した。最終日までリードを保ち、ナショナルチーム時代の先輩である中島啓太、蝉川泰果を3打差で抑え、史上7人目となるアマチュア優勝を成し遂げた。
トップアマの中のトップの系譜をたどってきた。近年、男子ツアーでアマチュア優勝を成し遂げたのは、19年の金谷拓実、21年の中島、22年に2勝した蝉川。3人ともナショナルチームでアマ時代から世界を経験してきており、杉浦も19年にメンバー入りを果たした。23年は金谷、中島と引き継がれたチームの主将も経験した。
技術だけでなく度胸の強さがある。実際にダンロップ・フェニックスでは狭いホールを恐れず、果敢にドライバー攻め。300ヤード超えの平均飛距離など、4日間のスタッツは高水準を示したが、マネジメント力や気持ちの強さが勝利に貢献したことは間違いない。
海外志向も強い。アマチュア優勝後は、会見で異例の“即プロ転向宣言”。11月下旬のカシオ・ワールドオープンからプロとなったが、2024年シーズンが実質的なルーキーイヤーとなる。1年目の目標については「まず1勝」を掲げるものの、賞金王獲得からの米下部ツアー予選会(Qスクール)挑戦にも意欲を示している。
昨年12月に行われたアジアンツアーの1次予選も突破し「日程を合わせながらになると思うけど、なるべく海外の方にはチャレンジしたい」と今後を見据えている。22歳の新星は、立ち止まることなく世界を目指している。
◆杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)2001年9月12日、愛知県出身。4歳の時にシングルプレーヤーを目指していた父の博倫さんに練習場へ連れられ、ゴルフを始めた。福井工大福井高2年時に日本ジュニア選手権優勝。19年からナショナルチーム入りし、20年に日大へ進学した。23年9月に下部のABEMAツアー、ダンロップ・フェニックス・チャレンジふくしまで優勝した。ドライバーの平均飛距離は290ヤード。趣味は野球観戦で好きなチームは中日。172センチ、74キロ。