鈴木愛 金銭で苦労した経験、周囲への恩返しを寄付という形で

 「女子ゴルフ・明治安田レディス・最終日」(10日、土佐CC=パー72)

 2017、19年の賞金女王が完全に復活した。首位から出た鈴木愛(29)=セールスフォース=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算16アンダーで初日から首位を譲らず、4日間大会では自身初となる完全優勝を果たした。昨年8月の北海道meijiカップ以来の通算19勝目で、19年大会以来の大会2勝目。

  ◇  ◇

 東日本大震災から11日で13年。日本ではその後も毎年のように災害が起きている。鈴木は今でも生活に苦しむ人に、義援金という形で手を差し伸べる。

 元日の能登半島地震でも、1月24日に日本赤十字社を通して1000万円を寄付。過去にも2016年の鳥取中部地震や18年の西日本豪雨などを受け、公表されているだけでも多くの寄付を行った。

 2度の賞金女王に輝いたトッププロといえども、なぜ度々、巨額の寄付ができるのか。それは鈴木自身が過去に金銭で苦労した体験があるから。自営業の実家は比較的裕福だったが、4人兄弟のうち、鈴木を含めて3人がゴルフに打ち込んだ。費用がかさむのは、ある種の宿命で「普通に生活するだけでも苦しかった」という。ジュニア時代は大きな大会でも飛行機移動ができず、徳島から車移動を余儀なくされた。

 19年の2度目の賞金女王の後、一時は不調で勝てない時期もあったが、今こうして第一線で戦えるのは、地元の方の助けや周囲の支えがあったから。「自分が稼げるようになったら何かしてあげたい。当たり前じゃないけど、そういう選手がもっといていい」。その恩返しの気持ちが、寄付という形で被災地支援につながっている。(デイリースポーツ・ゴルフ担当・中谷大志)

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