新垣比菜 6年ぶり2勝目 人生初うれし泣き キャディー兄も男泣き「それを見たら、私もグッと涙が」

 優勝を果たし、感極まる新垣比菜
 6年ぶりに優勝し、鶴岡果恋(左)から祝福される新垣比菜
2枚

 「女子ゴルフ・ヨネックス・レディース・最終日」(2日、ヨネックスCC=パー72)

 単独首位から出た1998年度生まれの黄金世代、新垣比菜(25)=ダイキン工業=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算14アンダーで2018年4月のサイバーエージェント・レディース以来のツアー通算2勝目を挙げた。通算11アンダーの2位は高橋彩華、蛭田みな美、穴井詩の3人。

 肩をすくめ、少しはにかみながら笑った、新垣の6年ぶりの2勝目。同学年の吉本ひかる、大里桃子が18番のグリーンサイドで待ち構え、キャディーを務めた兄・我如古夢蔵(がねこ・むさし)さん(34)も男泣き。「それを見たら、私もグッと涙が出てきた」と新垣。悔し涙は数知れないが、うれし泣きは人生初だった。

 単独首位で迎えた最終日は「なるべく平常心でゴルフをしたいなと思っていたけど、やっぱり緊張した」という。1番パー5はティーショットも第2打もうまく打てなかったが「7メートルのバーディーパットが入ってくれて、すごく一安心して」プレーできた。

 前半を3バーディー、2ボギーで折り返した後、12番で3メートルのバーディーパットを決めた。「今週はパットがよく入ってくれた。重めのグリーンだったが、今季使い始めた、はじきのいい、しっかりした打感のパターがピタリときた」と打ち明けた。

 自他ともに認めるネガティブ思考。「超ポジティブ思考」の兄が、ラウンド中もメンタルを盛り上げ、リラックスさせてくれた。2022年9月から師事する青木翔コーチも「調子が悪くなっても、ゴルフの知識がなくてどうしたらいいのか分からなかった」という新垣を、根本から鍛えた。

 2位に3打差をつける快勝。「初優勝の翌年が一番苦しくて、一生懸命頑張っているけどうまくいかない。沖縄に帰りたいけど、試合は休めない、って…。きつかった」という思い出を、もう笑って話せるようになった。

 ◆新垣比菜(あらかき・ひな)1998年12月20日、沖縄県具志川市出身。宮里藍さんに憧れ、8歳でクラブを握った。興南高に進学し、アマチュアだった2015年に下部ツアーのラシンクニンジニアRKBレディースで優勝。16年日本ジュニア選手権も制した。17年のプロテストに一発合格。18年サイバーエージェント・レディースでツアー初優勝を飾った。165センチ、56キロ。

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