渋野日向子が復活の2位 笹生とデッドヒート日本勢対決 シード権喪失から奇跡「“新しい章”がスタート」
「米女子ゴルフ・全米女子オープン選手権・最終日」(2日、ランカスターCC=パー70)
首位と2打差の4位から出た渋野日向子(25)=サントリー=は2バーディー、4ボギーの72と粘り、通算1アンダーで2位に入った。2019年全英女子オープン以来のメジャー2勝目はならなかったものの、復活を告げる堂々の2位。賞金129万6千ドル(約2億350万円)を獲得した。古江彩佳が2オーバーの6位、小祝さくらと竹田麗央は3オーバーの9位、山下美夢有が4オーバーの12位となるなど、14人が決勝ラウンドに進んだ日本勢が健闘した。
“スマイル・シンデレラ”がよみがえった。逆転優勝には届かなかったが、堂々2位の渋野は充実感たっぷりな笑顔だった。昨季はシード権を喪失し、今季も大会前時点で9戦中6度の予選落ち。もがき続けてきた長いトンネルの先から、ようやく光が差し込んだ。
「めちゃくちゃしんどい4日間だったが、ここまでのゴルフの内容や結果だったらあり得ない結果。正直自分ではビックリだけど、ここから“新しい章”がスタートできるなという感覚なので、すごく前向きな気持ち」
2打差からの逆転を狙って飛び出したが、3、4番で連続ボギーがきた。それでも、7番で残り80ヤードから1メートルにつけて初バーディー。後半は難関の12番で7メートルのバーディーパットをねじ込み、何度も拳を握った。
集中力を切らさず、パーを並べてホールアウト。今大会は柔らかいシャフト変更したことが功を奏した。単独2位に浮上し「この位置で戦えたのは奇跡」と振り返り、プレー後のクラブハウスでは、仲の良い笹生をハグで祝福した。
400超えの年間ポイントを獲得。直近2シーズンならシード権の累計ポイントで、手放したシードはすぐに返ってきそうだ。約2億円の賞金も手にしたが「うわぁ、(笹生)優花になんかおごってもらいます」と“らしい”口ぶりも戻ってきた。
今季は三つの海外メジャーを残し、8月には5年ぶり2度目の制覇を狙う全英女子オープンも控える。復活した日本女子ゴルフ界のスターが、さらなる大舞台での活躍へ新たなスタートを切った。