岩田寛がメジャー最年長初V! 遼とのプレーオフ死闘制した “ゴルフ人生初”POで歓喜「うれしいというより疲れた」

 石川遼(右)とのプレーオフを制し、握手を交わす岩田寛
 国内三大大会初制覇を果たした岩田寛
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 「男子ゴルフ・BMWツアー選手権森ビル杯・最終日」(9日、宍戸ヒルズCC=パー71)

 首位から出た岩田寛(43)=フリー=が5バーディー、2ボギーの68をマーク。16位から出て63を出した石川遼(32)=CASIO=と通算13アンダーで並んだプレーオフを制し、1973年のツアー制施行以降では最年長となる43歳130日でのメジャー初制覇を果たした。2023年の中日クラウンズ以来の通算6勝目で、優勝は4季連続。1打差の3位は米沢蓮。前年覇者の金谷拓実は4位だった。

 寡黙でダンディーな43歳が、クールに初のビッグタイトルをつかんだ。常に涼しい顔の岩田は、石川と激突した「ゴルフ人生で一度も勝ったことがない」というプレーオフでも冷静だった。

 「遼対僕。ほとんどが遼の応援だと思った。そしたら、18番のティーグラウンドに行くときに(ギャラリーから)『岩田頑張れ』って言ってくれて、泣きそうになった」

 観客から背中を押された感動もつかの間、岩田の表情は勝負師の顔つきになった。グリーン奥のラフからのアプローチを1・5メートルに寄せて優勝は目前。「いつも通りやろう」とウイニングパットを沈めると、安堵(あんど)したように大きく息を吐き、表彰式で「うれしいというより疲れたな」とつぶやいた。

 前日はトップに立ち「明日は緊張するだろうな」と漏らしながらも、最終日に向けて睡眠は8時間とばっちり。硬くなりがちな出だしは、1番のティーショットでフェアウエーを捉えると、徐々に心と体はほぐれた。14番のプレー途中に近くのホールで歓声が上がり、石川の猛追に気付いたが「今週の遼のキャディーが、来週の僕のキャディー。勝っても負けても気まずい」と考える余裕も。プレッシャーは感じなかった。

 老いてますます健在。宍戸ヒルズのメンバーとのラウンド中「このコースはベテランは勝てない」と目の前で話していたのも反骨心に火が付いた。人見知りしていた若手時代に声をかけられ、今では尊敬する谷口徹は『何年シードを持っていても、勝負は1年1年』と言っていた。メジャーの5年シードに甘んじることなく、ベテランがこの先もツアーで存在感を放っていく。

 ◆岩田 寛(いわた・ひろし)1981年1月31日、仙台市出身。中学時代までは野球とスケートボードをやっていた。東北福祉大では宮里優作と同期。04年にプロに転向し、14年9月のフジサンケイ・クラシックで初優勝。16年には米ツアーに挑戦したが、17年から再び日本ツアーを主戦場とする。ツアー通算6勝。21年の中日クラウンズから4季連続でツアー優勝。178センチ、74キロ。

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