松山英樹 初出場・中島啓太と共にパリ五輪出場権を獲得「僕は出なくてもいいと思っていた」思い複雑も日本エースの責任背負う

 東京五輪では惜しくも4位に終わった松山英樹=21年8月
 パリ五輪の出場権を獲得した中島啓太
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 国際ゴルフ連盟は17日、パリ五輪出場権を獲得した男子の60選手を発表し、日本は松山英樹(32)=LEXUS=と中島啓太(23)=フリー=が入った。世界ランキングを基にした五輪ランキングで松山は9位、中島は31位。ともに出場の意向を示しており、松山は4位だった東京五輪に続く2大会連続、中島は初出場。世界ランクを基に各国・地域から原則2人(15位以内は4人)までが五輪に出られる。

 男子ゴルフの日本代表は、第一人者の松山と成長株の中島となった。2021年にマスターズ・トーナメント優勝の経験を持つ松山はメダルの有力候補だが、複雑な思いを抱えている。

 自身の最大目標は2度目のメジャー制覇。「そんなにパリに思い入れはない」と五輪に強い興味を示さない。それでも出場を決めたのは「若手が頑張って世界ランキング50位以内に2人が入っていれば、僕は出なくてもいいと思っていたが、そうではなかった」と話したように、日本のエースとしての責任感からだ。

 メジャーと違い、五輪が世界一を争う舞台とは言い切れない事情もある。強豪ぞろいの米国でも規定で、世界ランク1位のスコッティ・シェフラー、東京五輪金メダルのザンダー・シャウフェレら最大4人までしか出られない。前週の全米オープン選手権を制したブライソン・デシャンボーは普段、世界ランクの点が加算されないLIVゴルフに参戦していることが影響し、補欠の2番手。現時点で出場権を得られなかった。松山は「一プロゴルファーとして、五輪がどういう感覚なのか分からない」と吐露した。

 初出場の中島はかつて世界アマチュアランクで1位になるなど、国際大会の経験が豊富で日の丸への意識も強い。今季から主戦場とした欧州ツアーでは3月に初優勝を果たすなど、上位進出の可能性もある。

 ゴルフ日本代表の丸山茂樹監督は「日本代表としてのプレッシャーはあるかと思うが、選手たちが持てる力を発揮できれば、ゴルフ男子競技初のメダル獲得も可能だと信じている。快適な環境を整えることに努めていく」と話した。2021年東京五輪の女子では、稲見萌寧が日本勢初のメダルとなる銀メダルを獲得。パリでは男子も世界をアッと言わせる。

 ◆松山英樹(まつやま・ひでき)1992年2月25日、松山市出身。4歳でゴルフを始め、高知・明徳義塾高で全国高校選手権優勝。東北福祉大に進み、11年にマスターズ・トーナメントでベストアマチュアに輝いた。プロ転向した13年に日本ツアー賞金王。14年に米ツアー初勝利を挙げ、21年のマスターズで日本男子初のメジャー制覇。東京五輪は4位。米ツアーでアジア勢単独最多の9勝。180センチ、90キロ。

 ◆中島啓太(なかじま・けいた)2000年6月24日、埼玉県出身。6歳でゴルフを始め、東京・代々木高から日体大に進学した。18年アジア大会で個人、団体の2冠。21年日本アマチュア選手権優勝。同年9月のパナソニック・オープンでツアー史上5人目のアマ制覇を遂げた。昨季、日本ツアー本格参戦1年目で賞金王。今季から欧州ツアーが主戦場で、3月に同ツアー初勝利を挙げた。177センチ、75キロ。

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