石川遼が1年7カ月ぶり逆転V 円熟味増した19勝目 15歳初Vから17年、若い世代に「立ちはだかりたい」

 トロフィーを手に笑顔の石川遼
 ギャラリーの声援にこたえる石川遼
 2季ぶりの優勝を果たし、手荒い祝福を受ける石川遼 
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 「男子ゴルフ・プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品・最終日」(23日、西那須野CC=パー72)

 やっぱり役者が違う。石川遼(32)=カシオ=が1年7カ月ぶりのツアー19勝目を挙げた。2打差2位から開始し、終盤のバーディーラッシュで逆転。6バーディー、2ボギーの68で回り、通算21アンダーで勝ち切った。金子駆大(21)=フリー=は67と追い上げたが、1打届かず2位。今季ツアー初出場で前日首位に立った河野祐輝(36)=NTT西日本アセット・プランニング=は、通算17アンダーで9位に終わった。

 千両役者が戻ってきた。今大会は選手会が主催で、副会長の石川は大会実行委員長として、4月からPR活動や企画会議などに奔走した。大会中はプレー中にピンマイクをつけてネットテレビに会話を送り、地元高校生の取材に応じた。そして最終日は、最終組で回って逆転V。「内容の濃い勝利になった」と、これまでとはまた違った充実感を漂わせた。

 円熟味を増した優勝だった。年々現れるパワフルな若い世代と戦うため、飛距離を求めるゴルフから、戦略やメンタル重視で勝つことに切り替えている。ボギーにした11番では、3番ウッドでの打球が右に飛び出し、さらに木に当たって深い茂みに飛び込んだが「さあ、ここからどうするか」と、むしろ困難な状況を楽しんだ。

 最大のポイントになったのは、16番パー5。首位にいたが、前の組の金子らが追ってきていることが分かっていた。「パーではだめ。絶対にボギーにしないで、いかにラッキーではないバーディーを取るか」をテーマに、右ドッグレッグの第1打をあえて大きく右から打ち出し、完璧なドライバーショットを生んだ。17番パー3もPWで50センチにピタリ。この連続バーディーで勝負を決めた。

 現在はグリップをストロングからウイークにし、トップも浅めにしている。「ゴルフ全体の歯車を把握できるようになった。どこかが狂っていても、最低限のエネルギーで回していける。エンジンが止まらないゴルフができている」という。

 アマチュアだった15歳で初優勝し、18歳で史上最年少の賞金王になったとき、当時のベテランたちは、石川と戦うために策を練った。「若い世代の中には、爆発力では手がつけられない選手がたくさんいる。僕は4日間の勝負というより、1年間のスパンで立ちはだかりたい」。立場が変わった石川は、今度は自分が若手を育てる番だと考えている。

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