山下美夢有 海外メジャー自己最高2位でパリ五輪切符獲得!日本勢4番手から“逆転”古江彩佳、畑岡奈紗らとの激闘制した

 「米女子ゴルフ・全米女子プロ選手権・最終日」(23日、サハリーCC=パー72)

 首位と2打差の2位から出た山下美夢有(22)=加賀電子=は3バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの73で回り、通算4アンダーで、海外メジャーでは自己最高の2位に食い込んだ。米女子プロゴルフ協会は同日、大会後の世界ランキングで日本からは山下と笹生優花がパリ五輪出場権を獲得する見通しと発表した。5位から出た渋野日向子は73で、67と猛チャージした西郷真央と並んで通算2アンダーの7位。古江彩佳は19位だった。梁熙英(韓国)が72にまとめ、通算7アンダーでメジャー初制覇、米ツアー通算6勝目を手にした。

 日本ツアーで2年連続年間女王が、国を代表して日の丸を背負う。古江、畑岡とのし烈な2枠目を懸けたパリ五輪の日本代表レース。最後に笑ったのは山下で「しっかり日本代表として頑張りたい」と覚悟をにじませた。

 2月のツアー開幕戦前の世界ランキングは23位で、日本勢3番手だった。国内で奮闘したものの勝利が遠く、いまだ優勝には手が届いていなかった。6月に笹生が制した全米女子オープン選手権後は、4番手に陥落した。20~22位に五輪を争うライバルたちがひしめき合っていた2番手争い。優勝争いの経験がない自身7度目の海外メジャーで、最後の大一番に臨んだ。

 何度も修羅場をくぐり抜けてき山下に、自分らしさを見失う様子は見られなかった。初日は5ボギーをたたく出入りの激しいゴルフだったが、2日目以降は最小限にとどめて本領発揮。海外メジャー自身初の最終日最終組は「たくさんのギャラリーの方がいて、すごく緊張はしたけど、楽しく一日プレーできた」と笑顔を見せた。

 最終日の厳しいピン位置にも果敢に立ち向かった。2番でバーディーを先行させたが、8番パー4ではショットのミスが出てダブルボギー。一時は首位と5打差に開いた。

 ただ、後半は大崩れしなかった。17番パー3ではティーショットがボール1個分カップの左をかすめ、ホールインワン寸前のスーパーショットで周囲を沸かせると、18番は2・5メートルのバーディーパットを「気合で」ねじ込んだ。海外メジャー自己最高の2位。日本女子4人目のメジャー制覇はお預けとなったが、その距離は「まだまだとは思わない」と近づいている。

 世界ランキングに基づく五輪ランキングで、原則各国上位2人に与えられるパリへの切符。日本勢2番手まで順位を上げることは確実で、五輪出場権を獲得する見通しとなった。「この順位でしっかり終われたので、来週以降も上位で戦えるように頑張りたい」。ますます自信を深め、早くも次週からの国内での戦いを見据えた。

 ◆山下美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪府寝屋川市出身。5歳でクラブを握り、大阪桐蔭高では19年関西女子アマ選手権などで優勝した。西郷真央、笹生優花と同じ01年度生まれで、高校3年時の19年にプロテストに合格。21年KKT杯バンテリン・レディースで初優勝し、22、23年と各5勝を挙げて2年連続の年間女王に輝いた。家族はコーチの父・勝臣さん、母・有貴さん、近大生で男子下部ツアーの優勝経験がある弟・勝将さん、妹・蘭さん。

150センチ、52キロ。

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